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rumor,151 ページ31

私は千冬の手を離した。


緩んでいた千冬の手を離すのは
最も簡単に離せた。


やっぱり隙をついて離すのが良いんだよね。


あからさまにやっちゃうときっと、
千冬は手に力を入れて離さないし。









「え?もう離しちゃうの?
おまえから繋いでくれて、オレ嬉しかったんだけど」




「ア、アー、ナニタベヨウカナ」




「スゲェ片言…顔赤いし…

あーあ、さっきまで普通に
手繋いでくれたのにな…」




「ッ、掘り返すな!」









割と恥ずかしい事を
私は自分から何も考えずにやってた…

と自覚する頃には顔は熱くて、

私は千冬から顔を逸らして
あたりのお店に視線を巡らせた。




お饅頭、団子、どら焼き等の和菓子や
クレープ、シュークリームなど王道の洋菓子…









「あ!アイスも良いなー……うー…」




「……佐々木さんから聞いてたけど、
ほんとに甘いの好きなんだな…」




「千冬は甘いのいける口!!?」




「言い方がおっさんなんだよな…
まあ、普通じゃね?
Aがどれくらい食うのか知らねぇけど」









千冬が何か言ってるのは無視して…

そうか、千冬は普通並の子か…

ま、大体はそう言う人なんだけど…

んーー、だったら……









「よし!ドーナツにしよ」




「今…選択肢候補に無かっただろ」









ある一つの店に目が止まり、
私はドーナツを食べようと考えた。


ドーナツならば、食べても
そこまで気持ち悪くならないだろうし

生クリーム系とか餡子系は好き嫌いあるからね


私は千冬よりも先にその店に歩き出して、
千冬も何だかんだついて来てくれる。


店の前のメニュー表を
私は体をかがめてジッと見る。




ストロベリー?

チョコレート?

それとも、新作の抹茶!!?









「……なぁ、A」




「千冬よ、今私は誘惑との勝負なの。
全部は金銭的に無理なので戦ってるの。
だから少しだけ待ってくれ」




「何だよそれ…ほら、あれ見ろよ」









悩んでるのに…と思いつつ、
肩を指でツンツンと千冬に叩かれた私は
千冬を見て、彼が指さす方向へ 顔を向けた。


その時の千冬の顔が…
何かを企むようにニヤついていたのを
私はあんまり考えなかった。


…けど、その方向を見て
千冬が何故そんな顔だったのか 嫌でも分かった

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加藤 - ほんとにこのお話好きです((頑張ってください!!待ってます!(^^) (2021年10月10日 4時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 加藤さん» 面白いお話なんて言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます!!更新出来る様に頑張っておりますのでもう少しお待ち下さい!コメントありがとうございます!! (2021年10月9日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
加藤 - とても面白いお話で更新されるのが待ち遠しいです!楽しみにしてます (2021年10月9日 9時) (レス) id: e4bf03ea74 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» そうなんですよ、限界が…()オールおっけぃですか!なら良かったです(オイ)今後の展開に色々悩んでおりますが、お待ち頂けたら嬉しいです!いつもコメントありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» いえいえ、そんな…!あっちこっちでコメント嬉しいですよ!!ありがとうございます!!えっ、えっ!!?伝わりました!!?()マイキーと千冬の2人に少しでも重ねられたらと思ってたのですが…みー様に伝わって嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年9月19日 0時

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