【呪術廻戦】マガイモノ (ページ8)

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8.普通じゃないページ8

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肩くらいまでの長さのAの白色の髪。

この髪の色にどれだけ苦労させられたことか。

特に小学校は大変だった。

何よりも変わった色で目立つし、
かなりいじられてしまっていた。

中学、高校は慣れたものの良い思いはしなかった。

目の前の男が差し出してくる鞄を
Aは少し強めに奪うと
それを肩にかけ、冷静な顔で男を見上げた。

「…それで、仙台(こんなところ)に
なんの御用ですか。呪術師さんが」

「お？やっぱり分かる？僕が術師だって」

笑みをたやさない男を前に
Aはただただ冷静かつ冷たい目を向ける。

男の方もまあそんなこと分かっていただろうと
自分より低いAを見下ろしている。

「…君さ、白神隆さんと陽菜さん…
2人の間に出来た子…だよね？」

その名前を聞いた瞬間、
Aの心臓が大きく一鳴りした。

いつぶりだろうか、2人の名前を聞いたのは。

当たり前だけれど、
もう何年も誰かの口から聞いてない。

白神隆と白神陽菜……2人の名前は_____

「…両親の名前、どうし、て………」

Aの父と母…自分を産んだ、両親2人の名前だ。

「うーん、どうしてって言われてもね…
呪術界の上は殆ど知ってると思うよ？」

何せ、君が産まれたからね_____

男の言葉にAは視線を下に落とした。

それもそうか、とAは
思ったよりもすんなりと受け入れられた。

両親は呪術師、そんな2人から
自分のような存在が産まれたのだから
目をつけられているに決まっているではないか

　

『…A、ごめんね』

_____どうして謝るの？

『貴方は……普通じゃないの。
……_____人間じゃ、ないの』

　

「…………そりゃ、そう、ですよね…」

「……」

「私は、人じゃないですから…
子供の頃、2人にも何度も話されました

私みたいな存在を、
呪術師さんが知らないわけないですよね」

頭によぎる、幼い頃両親に言われた言葉。

普通の人間は
幼い頃の記憶があまりなかったりするが、
Aは普通の人間ではない為、
昔の記憶を鮮明に覚えている。

ごめんねと涙を流す母と
泣きそうな顔をする父…
2人とも辛そうに見てくるあの目。

何も悪くない2人が何故自分に謝るのか。

謝って欲しくなんて、無かったのに。