rumor,81 ページ40
出会った時も、怒られたっけ…
傘をさしたまま、彼は自分の制服である
学ランを脱ぐと、それを私の肩にかけた。
そのまま傘を、私にさしてくれた。
おかげで松野くんの体の半分は、
雨に濡れてしまっている。
「！」
「少しはあいつらに抵抗しろよ
…今のおまえ、"どうぞ連れてって下さい"って
言ってるようなもんだぞ？」
「…松野くん、濡れちゃう」
「雨なんだから濡れんだろ…
それに、おまえの方がよっぽど濡れてる」
松野くんは笑って見せた。
今の私には、そんな彼の笑顔が眩しすぎた。
傘はさされてしまって、
濡れている顔でも今泣けば絶対にバレる。
「…泣いてんの？」
…もう、バレてた。
泣いてるの、バレてた。
いや何で…？
「…泣いてない。雨で濡れてるだけ」
「嘘だな」
「ッ、お願い…もう、優しくしないで…
ほっといてよ、もう…」
私はその場に座り込み、膝を抱えて顔を埋めた。
もう、誰とも話したくないんだ。
すると、松野くんは
私の目の前にしゃがんで
変わらず、傘をさしてくれていた。
「何があったか知らねぇけど、
オレはこっから動かねぇから」
「…は？」
「おまえが泣き止むまで、離れてやんねぇ。
それに、オレがここ離れたら
またおまえ濡れんだろ？
オレがおまえの傘になってやるよ」
松野くんの優しい声色に顔を上げてしまう。
優しく笑った松野くんがいて、
"ぐちゃぐちゃだな"って
涙を拭うように 松野くんの指が頬に触れた。
涙なんか、止まらなくて…
「…松野くん」
「ん？」
「誰かを好きになるのって、
こんなに苦しいんだね」
「え…」
「好きになっちゃいけない人を
好きになっちゃったんだ…私。バカだよね。
色々考えないようにって、
ずっと思ってても考えちゃうし…
もう、疲れちゃった…
それで、さっきも
自分なんか、壊れちゃえって思って
あの人たちに着いてっても良い自分がいた」
涙と一緒に、本音までもが口から出る。
…ほら、今誰かと一緒にいたら
こうやって、余計なこと言っちゃう
「……それって、マイキーくん？」
「ッ」
「好きになっちゃいけない奴って、
マイキーくんのこと？」
松野くんの真っ直ぐな目に ドクッて心臓が鳴る
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結祈華(プロフ) - くりすさん» コメントありがとうございます！良すぎますか!!?嬉しいです!!w千冬オチも作ろうかなとか考えたりしちゃってたり…((楽しみに待って頂けたら嬉しいです！これからも宜しくお願い致します！ (2021年9月6日 1時) (
レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けるのは嬉しすぎます！マイキーくんも千冬も良いですよね!!オチは2人作ろうかなとか悩んじゃってます((これからも宜しくお願い致します！ (2021年9月6日 1時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
くりす(プロフ) - 千冬良すぎますねwこれは千冬落ちバージョンもみたい位続きが楽しみすぎますぅぅ (2021年9月6日 1時) (レス) id: 6dab28c1fc (このIDを非表示/違反報告)
がーべら(プロフ) - 小説の流れがすごい好みすぎて、読めば読むほど味が出て、いつも更新を待ってます！！マイキーも千冬も大好きなので、どちらのおちも見てみたい！！素敵な小説待ってます♪ (2021年9月6日 0時) (レス) id: 55cfc2b408 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 春風駘蕩さん» ごりせめの千冬くんでございますッ!!!!!書きながら、千冬オチもありかなと考えたり…((コメントありがとうございます！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2021年8月25日 23時
