それ、わたしじゃないです。２【佐野万次郎】

rumor,47 ページ3

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「…はぁ………」









授業が終わって休み時間、
私はすぐに女子トイレの個室に入った。


流石の女子トイレには佐野も来れまい…


ちょっと授業には遅れるが
こればかりは仕方ない。


…あの佐野に今 会ったら、
何されるか分かんないし…


んでもって、
トイレの外から何か聞こえるんじゃい









「ねぇ、雪村Aってトイレにいる？」









オイオイオイ…
女子トイレ前で何聞いとんじゃ









「さ、佐野くん!?
わ、分かんないです、けど…」




「1つ、個室が開かない所があるんです」









女子ー？女子達ー？

私の居場所なんて教えなくて良いんよ？


女子達の声色は少し恥ずかしがっていて、

クッソ…佐野の顔にやられたな、あの子達









「ふーん…そっか、ありがと♡」




「「は、はい!!」」









…佐野が怖いわ


自分がモテる事を逆手にとって、
女子達を自分の言いなりにさせてるよ


ハートマーク付けた、甘ったるい声で言えば
女子達は佐野に負ける。


何でもかんでも
佐野の理想の形になるって、
自分で分かってるんだ。


……トイレから出られない事が決まった。









　









ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ









　









そして、このタイミングでチャイムが鳴る。









「(うわ…最悪)」









どうしようかと悩みながらも
ガチャッと鍵を開けて私は個室を出る。


チャイムが鳴ったし、流石に
もうトイレで出待ちなんてあり得ないだろう…


心臓バクバクの状態で、
私はトイレから出ようと 廊下を覗き込む。


当然、周りには誰もいなくて
私は息をついて トイレを出た…


_____その瞬間、









　









　









　
　









「…ッ!?」




「つーかまーえたッ♡」









いつしか、図書室の時のように
背後から佐野に抱きつかれていた。


…おまえ…上手い具合に隠れてたな、こいつ


お腹に回される腕の感触が
擽ったくて、何とも言えない。









「ねぇ、A」









佐野の唇が耳元に微かに触れる。


ち、近すぎる……はぁ!?近すぎるよ!!?


図書室でも同じような事されたけど、
あれよりも遥かに…確実に近い


だってもうあたってるもん!!?

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