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〜no side 〜
鬼ヶ崎「別にお前さんまで
つきあわなくていいんだぜ」
一台の車に、カイコクとザクロがいた。
カイコクが見張りをするため起きていたところに
ザクロが車に入ってきたのだ。
忍霧「貴様は明日運転だろう。寝不足は危険だ」
鬼ヶ崎「んん？ウンン…そりゃまァ」
忍霧「それに、お前の場合
見張りと称して暖房をつける可能性がある」
ガソリンは節約せねば、と呟くザクロ。
そんなザクロの言葉に、
カイコクは座席からズルっと少し滑った。
忍霧「…鬼ヶ崎」
鬼ヶ崎「んー？」
忍霧「さっき入出にけしかけただろう。
……まだ疑っているのか」
ザクロは先程の出来事を口にする。
忍霧「貴様が脱落した時
真っ先にパカに刃向かったのはあいつだぞ」
鬼ヶ崎「らしいな。感謝はしてる。
…ただ、善人すぎて不可解なだけ」
カイコクはザクロを見ず、
ただ空を見ながらつぶやいた。
忍霧「……別に疑うなとは言わない。
が、一ノ瀬の顔……見てたか？」
鬼ヶ崎「……いやァ」
忍霧「あの時の一ノ瀬、
誰よりも苦しそうだったぞ」
カイコクはそれを聞いてわかった。
苦しそうにしてたのは俺に対してじゃない。
アカツキに対してなのだと。
Aの気持ちは確実にアカツキに向いていた。
忍霧「……鬼ヶ崎は一ノ瀬に
ちゃんと伝えたのか？」
鬼ヶ崎「ゴホッ、っ、お前さん、何を」
忍霧「もたもたしていると、
入出にとられるぞ」
ザクロはこう見えて鈍感ではない。
カイコクはその事実に目を丸くしたが、
すぐにいつもの笑みになった。
鬼ヶ崎「んなの、わかってらァ……」
カイコクは真剣な表情で口にする。
1番はAが幸せな方をとる。
カイコクの中ではいつだってその想いが強かった
鬼ヶ崎「……が、入出のやつが
Aちゃんを傷つけたら
本気で俺はAちゃんを奪いに行く」
ザクロはそう言うカイコクの表情を見て
"怖い"と感じていた。
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年4月26日 0時
