二十二話。 ページ24
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「猫ちゃーん、痛いかもだけど頑張ってねー」
先ほどインターホンを鳴らして入ってきたレスキューのお兄さんに声をかけられる。
早く助けてくださいね!痛いんだから。
「あー、これは酷いね…猫ちゃん、よく頑張りましたね」
お兄さんは私の足を見ると苦笑いした。
私が頑張ったってことはわかってるのよ!いいから早く助けてってたら!
さとみくんが心配したような顔で私を見つめる。
「じゃ、ちょっと失礼しますねー」
お兄さんが私の胴に手を添えた。
「はい、痛くても大丈夫だから、頑張ってね」
え、は?強行突破?
ちょっと待って、無理無理。今そんなことしたら足がちぎれるわよ!
待ちなさいよ!嘘でしょ!?
「うに"ゃやああやあ!!」
胴を引っ張られて強行突破をされている途中。
猫の声なのかもよくわからない奇声を上げてしまったではないか。
ぐぁああ痛いっ!雑かよ、お兄さぁぁん!
スポッ。
私の奇声にかき消されるくらいの小さな音を出して、私の足は抜けた。
あ…ちょっと楽になった…。
「骨折までは言ってないと思うけど、かなり痛そうだからこのまま病院に行きましょうか」
マジか、あのおっさん再登場ですか。
別にいいけどさー…。
うーん、今痛くてちょっと歩けないんだけど、さとみくんのとこ行きたいわ。
と思わっていたら…
「A−−っ。ごめん、俺のせいだ。…でも無事でよかった」
さとみくんの方から抱きしめに来てくれた。
おおおお…ま、…バカッ!
あ、足痛いんだから、は、離れてよね…!!
…ていうか、悪いのはさとみくんじゃなくて考えなしに机に飛び乗った私だし。
……まあ一番悪いのは、机と壁よね。
…心配かけて悪かったわね。次から気を付けてあげるから、安心しなさいよ!
私はそのまま病院に連れていかれた。
前みたいに自転車のかごに入れたら痛すぎるから、
レスキュー車でさとみくんとそのまま直行。
「はあ、A、疲れちゃったよね…」
まあそうね。
でも一番疲れてるのはさとみくんでしょ。
ごめん。本当にごめん。
でもすぐ助けようとしてくれて嬉しかった。ありがと。
…それにしても強行突破なんて、わざわざレスキューを呼んだ意味はあったのかしら。
いろいろ思う事はあったけど、今日は病院に行って家に帰った。
足はひねった程度で、安静にしとけばOKらしい。
おん、しょぼかったな。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時