十八話。 ページ20
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「…ミャ」
私はいつの間にか眠っていたようで、気づけばもう空が暗くなったいた。
隣で眠るさとみくんの頬を前足で軽くたたく。
起きなさいよ。ひなさんもモカちゃんもみみちゃんも待ってるんだから。
「……A…」
さとみくんが小さな声で私の名前を呼ぶ。
寝起きの甘い声に心臓が飛び跳ねそうになった…危ない。
ていうか猫になったとはいえ、同級生の男子の隣で寝てるってなかなかだよね…。
そんなことを思いながらさとみくんを見ていると、彼はベットから起き上がった。
「ごめんね、A。昨日は本当に…。でも俺、朱の事は忘れる!
こんなことで落ち込んでたらつまんないしな!」
さとみくんはそう言って私に笑いかけた。
はっ!なんと可愛らしい笑顔なのでしょう…尊い。
「Aにはつらい思いさせたよな…。
でもAがあの時部屋に入ってきたからちょっと気持ちが落ち着いたんだ。
ありがとう、大好き」
さとみくんはそう言うと、私をぎゅっと抱き寄せた。
そして、私の頭に顔をうずめる。
……大好きって!?
え?ええ?
いや、私は別に…あの時はみみちゃんが困ってたから入っただけだし…。
まあそれで気持ちが落ち着いたんだったら良かったわよね……。
……本当にどうにかならないのかしらこの性格。
でもありがとう、大好きって言ってくれて。
私だってあの時さとみくんに拾ってもらわなかったら死んでたよ。
わ、私こそ大好きなんだから!いつまでもウジウジしてないでよね…!
私はなんだか恥ずかしくなってさとみくんの腕の中から抜け出した。
「ははっ、Aちゃん怒ってるー?可愛いね」
くっ…破壊力がやばいけど私は負けない…。
バカにしないでよ、元人間なんだから。
「…ミャーン」
「…それにしても朱、ジェルとなーくんに乗り換えるとか言ってたしな…心配」
確かに。
あんな女をジェルくんやなーくんに近づけるわけにはいかないわよね。
さとみくんは寝室を出た。
「ちょっとあの二人にLINEしてみる」
「ニャーゥ」
それが良いと思うわよ。
ちなみにさとみくんはいつメンとLINEグループを組んでるんだって。
いつメンは、ジェルくん、なーくん、ころん、るぅちゃん、莉犬だよ。
あかねちゃんが仲良くて、私もたまに話してたりしたんだけど。
しかもみんなイケメンだから女子の中では王子様グループ的な感じに扱われてるんだよね。
まあ、私はさとみくんは一筋だけど…。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時