【刀剣乱舞】アルビノ少女と刀剣男士3

波紋108 ページ20

長谷部「主、……主！」


『え！？あ、…はい？どうしました長谷部さん？』


長谷部「いえ、ずっと上の空でいらしたので…」


『…ごめんなさい、少しボーっとしていただけです』



黒狼が刀に戻った後、部屋に戻って黒狼をしっかり保管した

そして政府からの資料に目を通して執務に取り組んでいた

近侍の長谷部さんも少し後に来て手伝ってくれてる

…黒狼はいつ人の姿を現す事が出来るようになるのだろうか？

そんなに時間がかかる訳でもないような…

でももしかしたらずっと先かもしれない

あの時私が助けを求めなかったら、あんなことが起きなかったら…

黒狼は皆の前にどうやって現れていたんだろうね？



『長谷部さん、これは明日の出陣メンバーと内番表です…明日これを皆に伝えてもらえませんか？』


長谷部「主命とあらば…しかし主、いつもは主が皆に伝えているのに…明日、何か御用でもあるのですか？」


『用は無いんですけど…今日はちょっと遅くまで起きていますので、長谷部さんは先にお休みになってください』


長谷部「しかし主を残して休むなど…」


『では主命です…お手伝い有難うございました、ゆっくり休んでください』


長谷部「…分かりました、お体を壊さぬようお気を付けください」



そう言って部屋から出て行った

追い出してしまったような気もしてなんだか悪い事をしたと思う

でも…今日は眠れそうもない

もっと違う形で皆と会わせたかった

そう思ってしまう

今更だよね、なんで今になってこんな事を思ってしまうんだ

後悔先に立たず

今の私にぴったりな言葉だ



『はぁ…皆にどう知らせようかな』



知っているのは三条の皆だけ

黒狼は三日月さんとよく一緒にいたからなぁ



『…飲もう』



逃げたい訳じゃない

永遠の別れでもないのだから、今度はちゃんと色々話したりしよう

でも今日だけは…お酒に頼りたい

悲しいのに涙の一つも出てこないなんて…



『あ、お酒どうしよう』



光忠さんにお酒禁止令を出されたままなので貰えるとは思えない

…となると、あそこに行くしかないだろう

部屋を静かに出ると大太刀部屋に向かった









『次郎さん、お酒を分けてください』


次郎「え？別に構わないけど…一人で飲むのかい？」


太郎「良ければ我々と一緒に飲みませんか？」


蛍「主様、一緒に飲も？」


『せっかくのお誘いは嬉しいのですが、今日は一人で飲みますね』



誘いをお断りして酒瓶を抱えて部屋に戻った

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