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波紋5 ページ6

薬研が消えてから1週間経ったある日

その日は薬研と出会った日のように雨が降っていた

あの日から心にぽっかり穴が開いたような…

それでいて寂しさが込み上げてきてあまり食事もとっていなかった



『今回は、買い物行かなくてもいいね』



そう呟いて雨の降る庭を部屋の中から見つめていた



ドサッ!!



『!?』



ボーっとしていたから余計に驚いたけど、私の真後ろで何かが落ちる音がした

慌てて振り返ると、そこには血まみれの青年が倒れていた



『あ、あの!!大丈夫ですか!?(と、言うかどこから…)』



青年から返事はない

失礼を承知で服を少し肌蹴だせてみると刃物で切られたような傷があった

しかもつい今切られたように血が溢れている

急いで救急車を呼ぼうと携帯に手を掛けた

でも通話ボタンを押す前にもう一度その青年を見た

いきなり部屋に現れた青年

しかも見慣れない服を着ている

極めつけに刃物で切られている傷

ふと薬研の話が私の頭の中に流れた



『…あなたは、もしかして』



私は携帯を放り投げると急いで救急箱とタオルを持ち出し、応急処置を始めた

祖父から刀の使い方を学んだ時に万が一、怪我をした時に教えられた方法を思い出しながら

慎重に慎重に手当てをしていく



『…一応、血は止まったかな…包帯、きつ過ぎないかな』



床で寝させておくわけにもいかない

しかし私には青年を運ぶ力もないし、無理して動かすとかえって危険かもしれない

そう思って布団を持ってきてそこに少しずつ移動させて布団を掛けた

先程より苦しそうでは無い青年を見てホッとしていると自分の散らかした救急箱や薬を見て苦笑い

元に戻せるだろうか、と言うくらい酷い

何とか救急箱に押し込んで青年の傍に置いておく



『…こんな時に薬研がいてくれたら』



そう思いながら眠る青年の横で座って様子を窺う

急変したら大変だから傍にいないとね?



『ふぁ……眠い…』



しかし静かな空間で雨の音だけが聞こえる部屋

だんだん眠くなってきて床に身を横にした



『血で汚れた服を洗濯しないと…』



そう思って眠い体を起こした

そうだ、薬研の服はどうしよう…

あの後畳んでしまったものの返す手段が無い

もし、この青年が薬研と関わりのある人だったら持って行ってもらおう

そう思って青年の服を洗濯器に入れた

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黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» とんでもないです!これからもどうぞよろしくお願いします( ´∀` ) (2016年7月17日 1時) (レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - へー、そうなんですね! 勉強になりました、わざわざありがとうございます (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» 目の黒い部分には色素成分がなく、血液の色が透けて見える為赤目に見える人がいるそうです。←一応調べてそう言う設定にしてます(^^) (2016年7月17日 0時) (レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - アルビノなのに目が赤いんですね… (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 沫閑さん» ご指摘感謝します!ありがとうございます! (2016年7月4日 10時) (レス) id: d629d88941 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒にゃんもす | 作成日時:2016年6月23日 21時

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