【刀剣乱舞】アルビノ少女と刀剣男士

波紋30 ページ33

黒狼を身に付けるようになってもう1カ月が経った

特に変わったことはない

でも、別の世界から来ていた子達が誰も来なくなったのだ

時期が空いても1週間とかそんなものだったのに…

私は黒狼が何かしたのではないかと思ったが、黒狼は私の刀であり"こちら"の世界の物なので関係ない



『…黒狼』



そう呼びかけても相変わらず返事はない

そのうち分かる、と言っていたが私には未だに理解できていない



『もう、何か言ってよ…』



誰も来なくなってからずっと募る寂しさ

黒狼がいると思えばそんなに寂しくないのだが…肝心の黒狼は一切姿を現さない

ちょっとくらい話し相手にでもなってくれればいいのに…



『黒狼、なんで出てこないの？』



刀を外して床に置く

その前に正座して座ってる

…お説教してるみたいだ



『何か気に入らないの？』



そう言っても反応なし

よしよし…それなら



『…また厳重に保管しちゃうからな』


黒「それは止めろ」


『あ、出てきた』



刀を持って保管しに行こうとするとｶﾞｼｯと肩を掴まれて制止された

なんだ、いるではないか



黒「肌身離さず持ってろ、絶対だ」


『…持ってるよ、保管しない…でも、全然出てきてくれないから』



ちょっと寂しくて…と言うと黒狼は私の頭を撫でてきた

ワシワシと大きな手で撫でられると、何だか鶴丸さんを思い出す



黒「悪い、ちょっとやることがあってな…」


『…それって、もしかして私のことろに来なくなった"あちら"の人たちと関係ある？』


黒「…さぁな、だが元々違う世界の干渉は許されないからな」


『そう、だよね…』


黒「寂しいのは分かるがもう少しなんだ…もう少ししたらいつでも人の姿で傍にいてやるから」


『…何がもう少しなの？』


黒「……ノーコメントだ」



そう言って黒狼は消えた



『何が…何が"ノーコメントだ"よ〜！！』



いつも肝心なことをはぐらかして消える黒狼にそう叫んだ

いや、叫んだのは刀になんだけどね

もう一度刀を背負い直してソファに座ってTVを付けて時間潰しを始めた

一人だとやることが無い

寂しいけど、これが普通なんだ

それに…



『ちゃんと約束守ってよ？』



もう少ししたら黒狼が居てくれるようになる

そうれを考えると少し怒りが収まった









黒「ｹﾞｯ…結界破られてるし…」


黒狼は"こちら"と"あちら"の結界が破られているのを見て大きなため息をついた

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