波紋3 ページ4
『そっか、薬研は皆に慕われてるんだね』
「そんな事はないと思うがなぁ」
『話を聞いてると、皆薬研の事が好きなんだなって伝わってきたよ?とてもいいことじゃない?』
「でも…俺っち達の大将は…もういないんだ」
『え?』
「大将は気性が荒い御方だったんでな、その…俺っち達が怪我をしたりしても機嫌がよくないと手入れしてくれなかったし、大将の気に障ることをした奴は…折られちまった
それで…人間不信になった奴の一人が大将を…」
『…ごめん、辛い話させちゃった…』
「いや!レイのせいじゃないんだ!…なんでだろうな、レイになら話してもいい気がして…」
無意識に隣に座っている薬研の頭を撫でた
よく我慢したね、よく頑張ったね、と思いを込めて
薬研は少しビックリしてたけど、その綺麗な瞳からツーと涙がこぼれていた
「わりっ…なんで…」
『泣いてもいいよ、…辛かったんだね』
「っ…」
私の肩に頭を乗せて静かに涙を流す薬研の頭を撫で続けた
私には薬研の事情がよくわからない
でも、私達人間のせいで薬研達が苦しんでいることは悲しい事だ
『戻るまで…私でよければ話を聞くから、抱え込まないでね』
「ははっ…なんだかレイは俺っちの姉上のようだ」
『そう?私には兄弟がいないから嬉しいな』
「じゃあ、俺っちがレイの弟になるぜ」
『フフッ、ありがとう薬研』
「お安い御用だ"レイ姉"」
薬研が元の場所に帰れるまでに、楽しかったと思えるようなことをしよう
そして少しでも気持ちが楽になれるように…
そう思った
『じゃあせっかく出会えたし、今日は豪華な料理でも作りますか!』
「俺っちも手伝うぜレイ姉!」
『よし!じゃあ一緒に作ろうか(ニコ)』
「お、おう//」
早速、私と薬研で料理を開始した
作るのはピラフとオムライス、それとピザ
全部薬研が食べてみたいと言った物
食べたことが無いんだって
「レイ姉、これはどう使うんだ?」
『え…』
…ガスコンロの使い方を知らないのには驚かされたけどね
何とか料理を作り終えてテーブルに並べる
こんなにたくさんの量は食べきれないな、と苦笑いをこぼした
しかし料理を食べながら「旨い!」と言う薬研を見ているとどうでもよくなっちゃった
私は誰かとこうしてご飯を食べるのが久しぶりだからそれだけでうれしいのだけれどね?
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黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» とんでもないです!これからもどうぞよろしくお願いします( ´∀` ) (2016年7月17日 1時) (レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - へー、そうなんですね! 勉強になりました、わざわざありがとうございます (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» 目の黒い部分には色素成分がなく、血液の色が透けて見える為赤目に見える人がいるそうです。←一応調べてそう言う設定にしてます(^^) (2016年7月17日 0時) (レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - アルビノなのに目が赤いんですね… (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 沫閑さん» ご指摘感謝します!ありがとうございます! (2016年7月4日 10時) (レス) id: d629d88941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒にゃんもす | 作成日時:2016年6月23日 21時