【刀剣乱舞】アルビノ少女と刀剣男士

波紋21 ページ23

私は加州さんの着ていた服を畳んで渡そうと振り返った



『加州さん、お帰りになりんですね…』


加州「え…？…あ」



加州さんが消えかかっている

また、彼らみたいに消えてしまう

そう思うと急に苦しくなった

彼らが来るたびにだんだんその思いが強まる

一人で生きてきたからだろうか？

一人が寂しいと再認識してしまったからだろうか？

私は彼らが来るたびにそんな思いをしなければならないのだろうか？

…嫌だ

私も…



『加州さん…楽しかったですか？』


加州「うん！レイのお陰で！」


『私の事、嫌いになりません？』


加州「？嫌いになる訳ないじゃん！」


『私の事…捨てません？』


加州「…どうしたのレイ？」



なんだか、すごく悲しい顔だよ？

そう言われた時、私の目から涙があふれ出た

加州さんは驚いて私に触れようとしたけど、その手は私を通り抜けた



『寂しいですっ…皆さんが私の元に現れる度に胸が締め付けられるように痛いんですっ！
私にも家族が居ればそんな思いしなかったもしれない！私にも友達が傍にいればそんな思いをっ…でもいないんです！加州さん達みたいな仲間がっ！だから！……私も、』



連れて行って

そう言いかけた



加州「真名教えて！！」


『え…？』


加州「早く！！」


『私の名前は――――』



フルネームで答えたその時

加州さんは完全に消えてしまった

遅かった

もういない加州さんの居た場所を見つめて泣いた



『一人は嫌だよっ！！』



久しぶりに大泣きしたと思う

祖父が亡くなった時からずっといろんな事を我慢してきた

その前からも…

私が生まれて物心ついた時からずっと

なんで私がアルビノなの？

なんで私は他の人から笑われなくちゃいけないの？

なんで…そんな目で見られるのって

それが全部あふれた

今更、って思ったけど

泣かずにはいられなかった



『私が何をしたの！？私はっ…何もしてないっ』



神様って意地悪だよね

なんで普通の人にしてくれなかったんだろう

今思えば、神頼みなんてしたことなかった

だって私のアルビノが消えるわけじゃないから

神様って理不尽だよね

それで、泣き疲れてそのまま寝てしまった



『意地悪』



そう、呟いた

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