ep.25 ページ27
日向「13時です。」
私はスパッと答えるとAは突然大声を出した。
A「寝過ごした！！！」
日向「寝過ごしたの次元じゃないわよ！！！」
まるでコントだ。
なんて思いながらも、Aに説教する。
その途中でAがそういえばと割ってきた。
A「日向。さっき、あんた”ら”って言った？」
日向「そうよ。
あんたら。Aと、涼。」
私がそう答えると納得したような声が聞こえた。
日向「だから、Aが涼を起こしてから…
あ、涼。おはよう。遅かったわね。」
私の前には眠そうな顔の涼がいる。
A「え？涼きたの？」
日向「来たわよ。あとはあんただけね。
5分いないにきなさいよ！！！」
そう言って電話をきる。
日向「遅かったわね。
今日は大切な日と聞かなかった？」
私は涼に向かって言う。
涼「本部指揮官。すいません。
少し夢を見てしまいまして…。」
涼はそう言って笑った。
それを見て私は2.3年前のAを思い出した。
全く同じ顔をしていた。
辛さをばれないように隠した笑顔。
日向「涼も誰かを亡くしているのね。
…4年前の今日に。」
涼「…もう、4年目なんですね。
…何故分かったんですか？」
日向「そうね。もう4年目。
…さぁ。誰かさんと同じ顔してるからかしら。」
私はそう言ってデスクへと向かった。
《ASIDE》
やはり、5分では行けません。
女の子は支度に時間がかかるの。
A「…もう…4年目…か。」
考えると涙ぐんでしまう。
まだまだ忘れられない。
A「でも前を向かなきゃ…また日向に怒られる。」
4年前の今日。
日向は、たった一人の家族であった妹を亡くした。
いつもは冷静な日向が凄く取り乱していた。
でも私よりもすぐに立ち直った。
そして私にこう言った。
日向「起きてしまった事はしょうがないじゃない！
生きている私たちが止まってたら、死んでった奴らも成仏できない！！
私たちが何とかしなきゃいけないの！！
前を向かなきゃいけないのっ！！」
自分だって辛いはずなのに、泣きながらそんなこと言って。
でもそれを聞いた時思った。
進むしかないんだって。
生きている私たちが進むしかないんだって。
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作者名：かえぴょん | 作成日時：2015年5月20日 7時
