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ep.22 ページ24

自販機に行く間、私たちには会話は無かった。

エレベーターで無言。

買う時も無言。

そんな無言を破ったのは涼だった。

涼「Aさん。
ちょっとお話しませんか?」

A「…え?あ、うん。いいよ。」

眠気は飛んでいた。
あんな夢を見たからしょうがない。

自販機の隣のベンチに2人で座る。
心なしか近い気がするのは気のせいか。

涼「Aさんには兄弟っていますか?」

兄弟?
A「一人っ子だからいない。涼は?」

涼「俺には兄貴がいるんです。
兄貴は凄く優しくて、家族思いで。」

涼は悲しい顔で言った。

A「…もしかしてホームシック…??」

私は真顔で涼の方を向く。

涼は一瞬驚いたような顔をして、こちらをむいた。
そして。






涼「…ははっ…!」

笑っていた。

A「え?!何で笑うの??そんな変なこと言った?!」

私はさっきの無言から考えられないほど声を大きくした。

涼「くくっ…いや…、そうなのかもなって思っちゃったんです…」

涼の肩はプルプルと震えている。

この際盛大に笑ってくれた方がありがたい。

A「まあ、ホームシックなんて誰にでもあるよ。地元、新東京じゃないの?」

涼「あ、はい。少し離れたところです。」

A「少し?」

涼「えっと…富山です。」

少しではない気がする。
気のせいではないはず。絶対。

A「そうなんだ…!
私は元々実家は京都なの。
でも色々あってこっちにきて…ここに入ったの。」

懐かしい思い出が頭の中を駆け巡る。

涼「ここに入る為にきたんですか?東京に。」

涼の言葉に頷いた。

A「色々あってね!
推薦だよ!推薦。それで第一部隊の隊長になったの。」

そう言って私は壁にもたれかかる。
私には少し睡魔が襲ってきていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《涼SIDE》

A「色々あってね!
推薦だよ。推薦。それで第一部隊の隊長になったの。」

この言葉を言い終わった後、Aさんは壁にもたれかかった。

その後、暫し無言。

涼「Aさん。」

俺はAさんの方を向かずに言葉を発する。
だが、Aさんの方からは何も返ってこない。

涼「Aさん…?」

気になった俺は隣に座ってる彼女の顔を見る。

すると、Aさんは目を閉じてすぅすぅと寝息を立てていた。

涼「本当この人はわからないや…。」

そう呟いて部屋へ連れて行く為に俗に言うお姫様抱っこをしてエレベーターに乗った。

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作者名:かえぴょん | 作成日時:2015年5月20日 7時

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