厄災四十 ページ45
「料理は分からないが……”遊び方”なら俺も一つ知っているものがあるなぁ」
『遊びかた？』
何とも言えない…どこか気まづい空気を壊すよう
に三日月が静かに口を開く。
「先ずは筆と厚紙を用意するんだが……やってみるか？」
『うん！やりたい！！』
三日月の申し出に石切丸から興味を反らした虧
月が無邪気に笑う。
『えーげつ！筆と厚紙！！早く探そう！！』
「場所なんて知らねーですよ？」
「筆と厚紙なら俺の部屋にあるよ」
「ぼくもありますよ！」
「では、其々自分の筆を持って来ようか」
石切丸の提案に、今剣、岩融と共に競争だと虧
月が走りだす。
”走ると転ぶ”と慌てて盈月と加州が追いかけれ
ば、駆けて行った前方で、転んだような大きな
音と共に障子が壊れるような音が響いた……。
「……ありがとうございます……三日月……」
「はて？何の話しだ？」
「……”彼”のことは……あまり他言したくはないので……」
厨に残された……。否、敢えて残った小狐丸が目を伏せる。
先程話題に上がった”彼”に思うところがあるの
だろう……。
小狐丸の言葉に三日月は惚けてみせるが、構わ
ずに続けた小狐丸にただ笑みを一つ溢すと、そ
の双眸を見つめ返した。
「お前なら未だしも……彼奴は壊しかねないからな……。……それに、罪悪感もあるだろう……」
「………はい……」
三日月の言葉に目を反らして小さく頷く。
小狐丸のそれに三日月は目を細めると、口元を
袖で隠した……。
『僕も取りに行きたいー』
「あんたが動くと余計な仕事増えるんで、大人しくしていてください」
「主の分の筆と厚紙は俺と盈月が持って来るから、お願いだから主は此処で待ってて」
袖に隠された口を三日月が開こうとすれば、厨
に戻った声に、二振の双眸が入り口へと向く。
そちらを見れば、二振に連行されてきたであろ
う虧月が不貞腐れたように口を尖らせていた。
先程の音から察するに、案の定障子に突っ込ん
だのだろう……。
木の屑を髪や衣服に付けた三人に思わず苦笑が
溢れた。
(盈月と加州が厨を出ていく時より疲れて見えるのは気のせいではないだろう……。)
「主様、この小狐と一緒に皆が来るまで此方で準備してましょう。」
『うーん……』
三人の様子に小狐丸が盈月から虧月を受けとる
と、抱えあげて不貞腐れる虧月の顔を覗き込む。
未だ納得出来ないとばかりに見つめ返す様子に
小狐丸は困ったように微笑んだ。
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不思議の国の有栖さん(プロフ) - 最高です (2021年1月15日 23時) (
レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那@龍蓮(プロフ) - 更新頑張ってください！めっちゃ好きです！ (2020年3月11日 17時) (レス) id: 52a85e5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 羅維さん» 応援の御言葉ありがとうございます！！楽しみだと言っていただけて嬉しいです！最近中々更新ができませんが、なるべく早く更新できるように頑張ります！ (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます！！重症待機とは……！早く手入れという名の更新をせねばですね！(笑) 好きだと言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
羅維(プロフ) - 続き、スゴく楽しみです！応援してます！ (2019年5月4日 12時) (レス) id: 11865369a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2019年3月25日 17時
