【拝啓】二次元の勧め【二次元を夢見る貴方様へ】

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『………愚かな。』








神崎が何か言っている。

愚か？ふざけんな……私のどこが……







『せっかくこの私が垂らした糸が見えないとは…。』






神崎は、もっと目を細めて私を見た。


冷たい目、最初とは違った目。







『……信用しない子は、嫌いだよ。』





ﾌﾞｽｯと小さく頬をふくらます、神崎。
いい年して何やってんだお前、二十代前半だろ？見た目的に……。

私の小言は聞き入れずに、神崎は踵を返した。






「………なんなんだよ。」




携帯に手を伸ばした。




「何だ彼奴……。」





妖しすぎるにもほどがある。
新手の不審者かもしれない。

自分は神だと言って、甘い言葉をかけて、人をさらうのかもしれない。


そうはさせるものか、





私は、１１０番にかけよ…「ﾊﾞｯｻｧｯ」






「……………え。羽…」



奴の背中には、神々しく輝きを放つ、白い六翼の羽があった。




『戦隊ごっこはおしまいだよ、棒や。』


「っ…」 ﾊﾞｷﾝｯ






派手な音を立てて、携帯は破裂した。


二歩下がって、周りを見た。……何でみんな、此奴に反応しないんだ…。






『じゃあ、ね。
せいぜい良い人生を送りたまえよ。』






神崎……



いや、羽をはやしたその男は……









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・









踵を返して、近くの曲がり角をまがった。





「………なんだ…飛ばないのか……。」






聞いたことがあった。
ああやって、かっこつけたりして自分は特別だと思う込む…廚二病!





(ただの…中二病か。)




そう考えて、歩き出した。






周りは相変わらずで、私の事なんて見向きもしなかった。

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