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A「わたしもう弾かないって言ったじゃないですか!」
帰りのタクシーの中で、一体これはどういうことですか?と聞いてみた。



米「ん…けど俺はまた聴きたい あの時の音色」

A「そうじゃなくって、ていうか無理です…バイオリンはもう…」

米「どうしてそんなに拒むのかな?」

A「それは…」

米「うん?」

A「私の演奏には温かみがないんです 人様に聞かせるようなものでもありません」

米「え?なにそれ?」

A「音大の頃、先生にそう言われて…自分でもそう思っていますし…
なので弾くことにもう興味もありませんから」

米「は?なんで??俺は好きだよ Aさんの音
クリアでまっすぐで温かみというよりは情熱がある気がしたけど…
それじゃダメなの?」

A「それは…わたし…子供の頃から祖母と暮らしていて
両親との時間って無かったから、よその子が羨ましくて妬んで…
そのうちに温かい家庭とか愛情とかそういうのが嫌いになっていって…
音大の先生に温かみが感じられない音と言われた時、
納得したんですよね…あぁそうだな私ってそういう人間だもんって。
そういう音に魅力なんて無いんですよね…だからもう弾かないって決めたんです…」


米「そうなんだ…だけどおばあさんは、愛情をもって育ててくれたでしょ?」

A「はい…今はとても感謝しています。あの頃はそれが理解できなくて」

米「まあそんなもんだな…子供だもん」

A「だけど感謝していても、音楽に対してそういう温かい気持ちって
表現できないんです…」

米「ふぅん いいんじゃない?それで 温かみってそんなに大事?」

A「え・・・」

米「まあその 先生?とやらが言った言葉は、忘れちゃいな?
これからは違うんだからさ」


A「これから?いえ…だからわたしはもう…」


米「あなたのバイオリンは俺が気に入った音なんだよね…
やってくれない?俺のために」

A「…でも…」

米「大丈夫 あの時みたいに俺の心をゆさぶる音、みんなに聞かせよう?」



タクシーは以前、私が宮野さんに呼び出された場所、米津さんの会社に着いた。

米「宮野さんいると思うんだ…」

わたしはスタスタと歩いてビルに入っていく米津さんの後をついていく…






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千夜(プロフ) - 最高でした…!!( ᵒ̴̶̷̥́ ⌑ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )💖続き楽しみにしています!!🙏 (4月23日 16時) (レス) id: 07baa582b0 (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - とても面白かったです!次の更新を楽しみにしております!! (9月16日 10時) (レス) id: bfff11b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
KK(プロフ) - レモン茶さん» レモン茶さん コメありがとうございます!続きもう少しお待ち下さい(^_^;) (5月21日 0時) (レス) id: a885efe003 (このIDを非表示/違反報告)
レモン茶(プロフ) - いつも続き楽しみにしてます(^^) (5月20日 19時) (レス) id: 9fae207bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KK | 作成日時:2023年1月9日 0時

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