僕は恋を知った。《橙×黒》1 ページ9
橙色side
夏休み前日。
終業式も終わって明日からの楽園をみんながワイワイ喜んでる最中。
いそいそと帰り支度をしていた僕の机を力強く叩く人。
「おいマル!夏休み暇か?」
「ぅえ!?なんで!?」
高校で2年連続同じクラスで友達の亮ちゃんから突然夏休みの予定のご確認。
でも、なんで僕?
嬉しいけど、遊ぶんやったら他の子の方が……
「どうやねん?」
うわっ!ちょっとイラっとしてきてる……!
他の子の方がええと思うんやけどーー!!!
これ以上亮様の逆鱗に触れるようなことはいけないと思い、慌てて携帯のスケジュールを見る。
と言っても、こんな冴えない(よくてクラスメイトB)な僕には、バイトも無ければ塾も無い。
マトモな予定といえば、たまにある登校日だけ。
「なっ、何もないです!」
「あっ、そうなん?じゃあ、夏休みの間、お前の面貸せ!」
って満面の笑みでそう言われる。
「う、うん……?」
しまった、二つ返事で了承してしまった。
えっ、えっ、えっ、なにするのぉ!?
……なんて、思ってたのは一週間前の話。
「なんやの、これ……」
今僕は、照りつける太陽の下、鼻に爽やかに通る潮の匂いと、焼きそばなどの食べ物の匂い。
砂浜で遊ぶ親子、ボールで遊ぶ大学生くらいの人。
サーフィンやら、泳ぎやらで楽しむ人々。
そして、僕の前には、
色鮮やかなペンキで塗られた、木造の二階建ての建物。
これを俗に人は、『海の家』と言います。
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すみませんタイトル変えました!
(2019/4/30/23:03)
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作者名:これさわ | 作成日時:2019年4月22日 23時