４-終- ページ35
「……ぃて。おーい、起きへんの？」
おでこツンツンされる感覚があって目を開けると、意外や意外横山さんの顔がすぐ前にあった。
多分、三センチくらいの距離。
なに冷静に分析してんねん俺！？
「ぬわぁ！？」
驚いてソファにこれでもかってくらい引っ付いた。
すると、横山さんが小さく吹き出す。
「自分、ほんまおもろいなぁ。さっきの事もそうやけど、久しぶりにこんな関西人な人会うたわ」
って、ケラケラ笑う。
なんか、そんな表情があの仕事ぶり見てたらめっちゃ意外で。
いっつもはクールに無口って感じやのに、家やと結構話して笑ってるところとか。
モデルって勝手に色んな人に支えられてる感じがしてたけど、意外と虫とかいけて、やるって決めたらちゃんとやってくれるちゃんと人なんやってわかった。
そう思ってくると、ちゃんと人なんやって笑えてきて。
つい一緒に笑った。
すると、横山さんがいきなりびっくりした顔になった。
「えっ、どうされました？」
「自分、やっと笑ったな」
「はぇ？」
そう言われると、俺きてからすぐに横山さんに怒ったし、そのあとはアイツのせいで心臓ヒヤッヒヤやって、落ち着けてなかったかも。
「君、男前やねんからぶっきらぼうより笑うてる方が感じええとおもうで？」
「えっ、そっすか？」
「おん、絶対笑ったほうがええとおもう」
「あっ、ありがとうございます……」
なんか、めっちゃ褒められて恥ずかしくなって下向いて頭掻いた。
「うわぁ、なんや照れてんの？可愛いらしいなぁ」
言うてまた頭撫でられる。
撫でられてたら、急に顔を耳に近づけてきて、そっと囁いた。
「……っえ！？」
「まぁまぁ、よろしゅうな、錦戸くん？」
って、鼻の頭に軽くキスされる。
そんなん、そんなん、そんなんっ！！！！！！
「よろしくお願いしますって言えませんよおおおおおおおおおおおおお！！！！！」
ああ、明日からの悩みが一つ増えました。
『しかも俺のドストライクやわ、君。これから覚悟しといてな？』
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作者名：これさわ | 作成日時：2019年4月22日 23時
