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あれからの記憶は無かった。
多分、泣き疲れて寝てたんやと思う。
キッチン奥の椅子を何個か引っ付けてベットみたいにして寝かされてて、僕の体の上に横山さんが着替える前に来てたジャケットかけられてる。


横山さんが運んでくれたんか……
そんな大人な対応にも胸が高鳴る。


なんか、自覚すると心ってめっちゃ素直やねんなぁ、すごい。
笑ってまうくらい僕の心は横山さんが好きって叫んでる。
多分それは姿みたら増すもので。
とりあえずジャケットを椅子の背もたれにかけて、キッチンの方へ歩いていく。


すると聞こえてくる声。


「横山くん!ドリンクコーラ2つとウーロン茶!」


「了解!」


って明るい声で応答した横山さんが冷蔵庫のあるこっちに駆けてきた。

するとすぐに僕の姿見つけてまたあの笑顔をくれる。


その笑顔は僕の待ってた一番大好きな顔で。

『アカン……横山さんは、男性やで?』
なんか僕の片隅にいる誰かがそんなこと言うけど、自覚したからもう僕は何も躊躇わへん。
好きな人を目の前にするとドキドキするもんやって。


「お!マルちゃん。もう落ち着いたん?」


「あっ、はい。すみません、ご迷惑おかけして……」


「全然迷惑ちゃうわ!大丈夫なようで安心した。あっ、ドリンクや!」


心底安堵した表情で綺麗な笑顔をくれたら、ちょっと焦った表情で冷蔵庫からドリンクとカップ出して入れて持っていく。

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作者名:これさわ | 作成日時:2019年4月22日 23時

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