かわいい黒色さん

１０ ページ18

な、なんやろ……この人、真顔やったらめっちゃクールそうやのに、笑うと１８０°かわってめっちゃ可愛い……なんか、めっちゃタ……

待て待て待て待て待てえええええい！隆平！！
は！？え！？何言ってんの！？
僕男男男男！！！横山さんも男！！！
ちゃうって！！そんなんちゃうちゃう！
暑さで頭やられてもたんやって！
横山さんの笑顔が素敵やからやんな！可愛いとか年上に失礼やし！しかもタイプとか思う！？
無し無し無し！！アカンアカンアカン！！

そう、ちゃうちゃう。
落ち着け隆平。
ただ、横山さんが男性やのに美人さんなだけやって。
あれ？この表現もおかしい？


なんて、僕の頭の中で繰り広げられる大モメ大会に落ち着けと自分を言い聞かせていると、ちょっと高めのトーンで笑い声。


「……へ？」


「あっははははははっ！！マルちゃんめちゃくちゃおもしろいなぁ！！なんでかは知らんけど、ふははっ、ひゃ、百面そっ……あははっ」


「……っえ"っ！」


はっ、ははは、恥かし！！！！！

みられてたぁああああぁぁぁ！！！


「うはははははっ」


って、まだ笑ってる横山さんは、クーラーボックスを掴んでる反対の腕全体で顔の下半分を隠す。
笑ってるから頰がほのかに赤くなってる。


「も、もうそんなに笑わんといてくださいよぉ！」


「くははっ、行こかぁははっ！」


「もうっ！早く行きますよ！」


って、照れてるのバレたくなくて僕が前に立ってクーラーボックスを引いて歩いた。



海の家に戻ってもまだわずかにツボにハマってるらしい横山さんは、ニヤニヤが止まってなかった。


「あー、もう、ほんまマルちゃんおもろい」


「う〜、僕はおもろくないですよ！」


「まぁ、ええやんええやん。少なくとも俺はめっちゃ楽しいわ」


なにがええんよぉ！
なんも良くないってのー！
泣くで！？ほんま！！

１１→←９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す