白鳥沢のレギュラーに選ばれたのは苦労人イケメンでした (ページ22)

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先生「名前呼ばれたやつから保健室の中入れー」

工「俺身長何cm伸びたんだろ」

『俺あんま伸びてない気がする』

今日は年に一度の身体測定の日

事前に配られた記入シートを手に保健室前の廊下に並んでいると、五色は少しワクワクしているような顔で記入シートを見つめている

『はー、体重も測るんだよなぁ…』

あれだけ筋トレ頑張ってるのにまた去年と変わってなかったら今度こそ本当に立ち直れないと思う

先生「次、五色ー」

工「あ、はい！」

じゃあな、という五色に行ってらー、と声をかけた

去年は何cmだったっけ、とぼーっとしていると、

先生「白金ー、入れ」

『はい』

いつの間にか順番が回ってきたようだ

消毒の匂いがこもる保健室に足を踏み入れ、身長測定器の前に立つ

『よろしくお願いします』

先生1「はーい、靴脱いで背中ぴったりくっつけてね」

少しでも高く…と最後の悪あがきで顎を思いっきり引いた

先生「186cmだねー」

『お、5ミリ伸びてた』

成長期が止まったと思っていた時に伸びてたら、数ミリでもかなり嬉しいものだ

先生1「はい、じゃあ次は体重ねー。隣に移動してくださーい」

『っす』

目の前の体重計が普段は普通の機械なのに、今じゃ呪いの道具のように見える

先生2「靴脱いでゆっくりのぼってね」

『ｽｩｰ…ﾊｧｰ… よし』

目をつぶりながらゆっくり足を着け、背筋を伸ばして直立する

ﾋﾟｯ

先生「はい、オッケーです。降りていいですよ」

『ありがとうございました！』

大丈夫、あれだけ毎日筋トレしたんだ…さすがに2キロは増えてるはず…！

先生2「はい、じゃあこの記入シート持って教室戻って」

『はい』

震える手で記入シートを受けとり、まだ何も見ずに教室に戻った

工「お、Aどうだった？俺は去年より身長2cm伸びてたぞ」

『5ミリ伸びてた』

工「5ミリ」

俺は席について目を閉じ、深く深呼吸をする

そして、意を決して体重の欄を見た