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東京駅からそこそこ近い私の家。
考えてみれば センラさんを私の家に招いたことは今回が初めてで、さかたん家と 結構近いんやなぁ…と周りをキョロキョロしてる センラさんに なんとなく可愛さを感じたり。
30分もあれば最寄り駅につき、そこから歩いて数分。ここです、と センラさんを案内すると 大きな家やね と目をぱちくりとさせる。
「 普通の一軒家ですよ 」
「 東京で一軒家って結構高いイメージあるんやけど… 」
というか、俺 家にお邪魔すんのに なんも持ってきてないけど大丈夫?お母さんとかになんか買ってくるべきやったよな、とあたふたし始める センラさんに、
今日お母さん病院の検査入院なんで家に帰ってきませんよ、と告げればぴたりと動きを止めて、ギギギとでも効果音がつきそうなぐらい 堅くなりながら こちらに顔を向けるセンラさん。
「 今、家 誰も居らへんの? 」
「 ? はい、そうなりますね 」
「 はぁ… 」
軽くつかれた溜息に ぴくりと肩を揺らすと、センラさんが あぁ…と困ったように眉を下げる。
「 とりあえず、中 入れてもらってもええかな?
寒いし…Aちゃんも身体冷やしたらあかんやろ 」
「 そう、ですね 」
優しく言ってくれる センラさんに頷いて 鍵をあける。家の中も寒いものの、外ほどではない。
どこか力の入っていた身体が ふっと緩み、安心したような深い息が零れる。
近くではセンラさんが、玄関周りを見ながら 綺麗にしてるんやなぁ…なんて呟いていて。
「 センラさんが来ても大丈夫なように掃除してるだけですよ。あ、こっちです 」
リビングのドアを開けて案内すると、ごくりと 唾を飲み込んでお邪魔しますと何度目かとも分からないその言葉を発しながら ゆっくり足を入れる。
私は、寒さを遮るようにリビングのドアを閉め、暖房のスイッチをいれる。
センラさんに そこのソファにかけてください と言ってから キッチンへと向かい、お湯を沸かす。
センラさん、コーヒー飲めたっけ…
インスタントコーヒーを用意しながらそんなことを考える。なんだか、センラさんのお嫁さんになったみたいで…と考えたところで ふるふると頭を振る。
何恥ずかしい事考えてるんだ私!お嫁さんとかセンラさんに悪すぎる!!!
センラさんは、私なんかとは違って大人で、
きっと私が本気にしちゃうような事だって余裕でこなしてしまうのだから。
私は、そう自分に言い聞かせ思考を遮った。
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メア - END!? (2022年5月12日 16時) (レス) @page15 id: 7eca0bc8a4 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 紫乃@坂田家さん» 今時期 クリスマスとか書くのも遅いなーとか思いながら書いたやつですが、喜んでもらえて何よりです笑 可愛いさかたんをもっと書けるよう頑張ります! (2018年1月4日 15時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃@坂田家 - うおおおおありがとうございます!!さかたん可愛い……そして何より空綺ちゃんがもんのすごい可愛い……何なんだお前らッ!← 本当にありがとうございます!!感謝感激雨あられ!!← (2018年1月4日 10時) (レス) id: d70a2ffcc9 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - 零生さん» いえいえ。直ってよかったです!! (2018年1月2日 17時) (レス) id: 8583ad440a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - キャンディットさん» ご指摘ありがとうございます、直してまいりました! (2018年1月2日 15時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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