どこかで 70 ページ25
.
やっと 歌い始めた花咲は、歌詞は飛ぶわ音程は合わないわ声は裏返るわで パフォーマンスは最悪だった。
きっと言い訳は、私がライブが始まる前にあんな事をしたから、だろうが…
花咲の仲間が荒ぶってしたことだし、そもそも一番の被害受けてるのは私だし。
自業自得、ってやつかな。
機械をいじってあげた まふくんは、上の方から 花咲をにっこりと笑い眺めている。
醸し出す雰囲気は黒く、あ…ブラックまふくんだ、なんて。
｢ あーぁ、盛大に自爆してるね〜 ｣
｢ なんか 見てておもろいな ｣
志麻くんとセンラさんは そんなこと言って笑って、うらたんは 言葉に見合うだけの練習をしてなかった結果だな、と冷たく言い放つ。
｢ あれでよく コラボ要請とかしてきたな… ほんとにファンに叩かれるよ ｣
｢ mixでどうにかしようと してたんちゃいます？まぁ、これでコラボは不可能って思い知ったと思うけどな!! ｣
嬉しそうに 言う さかたん。
みんな なんかニコニコしてて…うん、若干怖いかな…
ライブを聞きに来た人達は、ブーイングの嵐。一番が終わった時点で 散々に叩かれていて、耐えきれなかったのか 花咲は途中で歌を放棄して こちらに戻ってきた。
私は、立って そんな花咲のところに近づく。
心配そうにするみんなだったけど、静かに見守ってくれた。
｢ なに放棄してんの？アンタが吹っ掛けてきた勝負だけど ｣
｢ うるさい！私には あの男がいること前提の話だったのに!! アンタのせいで全部狂ったわ!! ｣
甘ったるい話し方はやめて、腹から声を出すかのように叫んで 私を睨みつける。
そっちの本性の方が よっぽどスッキリするいい性格だ。
私は嫌いだけど。
｢ 私のせい？違うね。練習しないで、人に頼りきって そのくせ自分が出来ていると勘違いしてたアンタの 幸せで馬鹿みたいな頭のせいだよ ｣
｢ 言ってくれるわね…！ ｣
｢ まぁ、怖いものなんて もう無いしね ｣
舞台の方からは たくさんのブーイングが未だ飛んでいる。流れていく曲は既に二番の曲に差し掛かった。
止めないのは、まふくんのちょっとした悪戯だろうか。まふくんなら 今ので終わりだった…みたく自然に消すことも出来ただろうに。
｢ …花咲、アンタにこれだけは言わせてくれない？ ｣
｢ なによ… ｣
悔しげに顔を歪め、私を見る花咲に。
心の奥底に燻っていたこの言葉を。
｢ ざまあみろ ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1408人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆり - まふくん尊いっ！惚れてまうわぁ (作者さん？、、、ベタ惚れかな) これからも、頑張って下さい！ (2019年7月8日 22時) (
レス) id: 65a0be3175 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - いやまって。さっきまでさかたんとまーしぃ尊い(ﾊｧﾄ)みたいな事言ってたけど番外編センラさんどしたん？惚れてまうやろ。 (2019年4月26日 0時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
しらす - まってさかたんとまーしぃ尊い。尊すぎて死ぬる (2019年4月25日 23時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
鈴猫 - 面白かったです！まふくん推しだったので嬉しいです！これからも頑張って下さい！ (2018年8月20日 7時) (レス) id: 82703b5acc (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - ごめんなさい語彙力が(^-^; (2018年4月1日 6時) (レス) id: d0d4f61829 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
