どこかで 23 ページ25
そらる.side
なにかの糸が 切れたように、プツンと意識を飛ばしたA。
まふが慌てて Aちゃん!? と起こそうとしたが、俺が そっと止めた。
Aの耳元で おやすみ、と囁いて。
近くにあった ブランケットを掛けてやる。
意識を失った時に 寄っかかられた 坂田がその場で硬直してたけど、起こさない程度に どけ と告げると は、はい！といきなり立ち上がった。
…話聞いてたか坂田、起こさない程度にって言ったんだけど…
それを予想してたのか、近くにいた うらたがAを支えていて、坂田がいた所にクッションを起き、Aを寝かせた。
Aは気付いてないだろうけど、目の下にはすごい隈が出来ていた。色は病的と言っていいほど白くて、寝ていないんだなということが見て取れた。
睡眠のことに関しては何も言ってなかったけど、色々と重なって 寝れていなかったのだろう。
一定な呼吸のリズムを奏でているのを聞いて、少し安心し Aから離れる。
まふと坂田が心配そうにこちらを見ていて、うらたは心底疑問だという風にこちらを見ていた。
｢ なに？うらた ｣
｢ いや… そらるさんが そうも気にかけるなんて 珍しいなと ｣
｢ なんか、放っとけなくてさ ｣
傷ついてるはずなのに 無理して生きていたA。それがなんか、昔のある時の まふに重なって見えてしまって。
それだけの理由じゃ無いだろうけど、助けたいと思ったのは それもあると思う。
｢ 俺らが勝手に言えることではないけど、Aはなかなかに辛い状況にいてさ。この年齢で、それを耐えて あんな歌声をリスナーに届けて、笑顔を作ってた。そう思うとさ、…誰かが Aに笑顔を作る機会を与えなきゃって思ったんだ。すげぇ 上からだけど ｣
リスナーに いつも元気をもらってるんです、そう言ったAの言葉は嘘ではないだろう。
でも、直接的に笑顔や温もりを与えてくれる人は近くにいたのだろうか。頼れる人はいるのだろうか。
…きっといないのだろうな。いたら、例え 知っていた歌い手だとはいえ こんな風については来なかっただろう。
そう思うと、頼ってくれた彼女の力に少しでもなりたいだなんて思ってしまったのだ。
この子の笑顔を作るのは、俺でありたいと。
なんか、子供が出来た気分…かな。
｢ やっぱ優しいすね、そらるさん ｣
｢ んなことないよ… ただの気まぐれ ｣
うらたにそう返して、俺はもう一度だけA
の方を見た。
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零生(プロフ) - 緋月さん» コメントありがとうございます。私の作品の一言で、少しでも元気が出たのなら何よりです！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - 別に愛されていない訳でもないし、虐めも軽いし、暴力もない。だから『私はつらくない。何で勝手に悲しんでるんだろう。』って思って、辛さは誰かと比べるもんじゃないって、嬉しかったです。ありがとうございます。ありがとうございます。 (2018年3月17日 20時) (レス) id: b1db03f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
緋月 - ありがとうございます。私は親を亡くしたわけでも、そうゆう人に虐められてもいないけど、考え方がすごく似ていて、自分の事みたいで嬉しかったです。 (2018年3月17日 20時) (レス) id: b1db03f0a4 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - かなるいさん» そちらの方でもコメント頂いて、本当に嬉しいです!!ありがとうございます。はい、タイミングを見て書いてみます！ (2017年8月30日 1時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
かなるい - 零生さん» 何度もすみません。もう読んでますよ´`*すごく面白いです。可愛いうらたさん、楽しみにしてますね (2017年8月29日 22時) (レス) id: b2b228fcf1 (このIDを非表示/違反報告)
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