---1 ページ9
別に好きでもない女と付き合うなんて初めてだったし、この女には一生恋しない。
そう思ってたのになぁ。
『なんかさ、最近胸が痛いんだよ。』
sm「病気のせいだろ？」
『そう、スマイル君だいせーかい。』
sm「安静にしてろよ。」
『分かってる。優しいな。流石私の彼氏。』
sm「お前の事を好きと思った事は1度も無いけど。」
『ん、それは嘘だね。いつも授業中見てくれてるじゃん。私の事。』
おっと、無意識。
さすがに俺もびっくりした。
sm「監視してんの。」
『束縛？』
sm「うるせ。違う。」
『ふーん。』
『じゃ、私もここら辺だから。ばいばーい。』
sm「じゃーな。」
誰も居ない家に「ただいま。」と言う。
少し寂しいな。
彼女の寿命が縮んでいくのが微かに怖くて。
どうしてだろう。何故こんな事を思うのだろう。
時間が、止まってくれればいいのに。
そんな事を考えていると、電話がかかってきた。
sm「もしもし？」
『あっ、スマイル〜。さっき病院行ったんだけど。』
そんなに時間が経ったのか。
時計を見ると帰ってから1時間も過ぎていた。
sm「どした。」
『入院する事に……なっちゃったんだよね。』
sm「……なるほど。」
『もうさ、隠しとうせないかな。』
sm「無理かも。」
『そっ……か。』
sm「ごめん。」
『いいんだ。もうすぐ死ぬんだし。』
sm「やだ。」
『え？』
sm「お前には、死んでほしくない。」
ふとそんな事を言っていた。
言ってから赤くなった頬を触って恥ずかしい事を言ったと実感する。
『嬉しい事…言ってくれんじゃん。』
sm「ばか。本心じゃねぇよ。」
『ほんとかな。』
sm「ほんと。」
『忙しくない時はさ、お見舞い来てよ。』
sm「行くよ。でも、テスト始まるからあんまり来れないかも。」
『無理しなくていいよ。じゃね、待ってる。』
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
あぁ、居なくなってからこんなに恋しくなるのか。
結局、お見舞いには行けなかった。
1回でも、最後に彼女の顔を見たかった。
あんなに口が悪くて、
うるさくて、
大雑把で、
偉そうにしてる君を好きになるなんて
思ってもいなかったけど。
完璧少女なんて、やっぱり居ないんだよ。
彼女は、欠点が多すぎたな。
高校の最後になって、俺は彼女が好きなんだと気づいた。もっと、もっと早く気付いてれば。
「好き」と言えたのに。
俺は人生初めての涙を流した。
♯04 欠点
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめの(プロフ) - くりひらさん» あー分かりますそれ！てかみんな良さそう… (2019年6月2日 23時) (
レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
くりひら(プロフ) - まめのさん» シャークんさんはあまり悪口言ってるところあんまり聞いた事ないので性格良さそうですよねー！ (2019年6月2日 11時) (レス) id: 190fe1e13d (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - くりひらさん» めっちゃ分かりますそれwwあと天国のやつで話聞いてないのもかわいかったww (2019年5月11日 13時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
くりひら(プロフ) - まめのさん» 返信遅れてすみません！クラフト無しの西と東分からなかったのもかわいかったですよねーw (2019年5月10日 18時) (レス) id: 190fe1e13d (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - くりひらさん» そうなんですよおお！！あの料理のヤツ(ド忘れ)もかわいかったぁ…でも人狼のときにかっこよくなるのもすこすこのすこ (2019年5月2日 11時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
