8話x 熱血?ドッジボール (前編) ページ9
燦々と振り撒かれる陽光 。晴れ渡る空 。そんな天気とは裏腹に 、今の私の気分は最悪だ 。え?何故かって? 其れは今日の体育がドッジボールだからだ、唐突に松崎(体育と生活指導担当の教師だ)が、今日の体育はドッジボールだ。と告げられた時は思わず殴りかかろうとしてしまった程だ。運動が苦手という訳では無い、むしろ出来る方だ。世界大会でメダルを取れるレベルで…だからこそ大変なのだ。
落ちていたボールを拾い、籠に軽く投げ入れる。すると同時に尋常ではない音を発し籠が見るも無惨な姿に変貌する。
私はボールを扱うのが体育苦手ランキングでトップに嫌いだ。なんせ制御が難しいのだ。仕方ない。これは言い訳なんかじゃあないぞ 。
「柚木さんどうしたの?」
女子生徒Aが話しかけてくる。嗚呼、もうチーム分けが終わったのか、とAは思った。
『いや、なんでもない。直ぐ行く』
チーム分けを全く聞いていなかったな。どうやらAチームの様だな。そう言えば、男子の方もドッジボールらしい、まぁ、斉木なら大丈夫だろう。て言うか、さっきから灰呂の暑苦しい声がこっちにも聞こえてくる。うるさっ
しかし、問題がある。それは相手チームに照橋さんが居るという事だ。老若男女「おっふ」と言わせる照橋さんを当てたら、幾ら女といえどイiジメの標的とされるだろう。それは困る。まず間違いなく注目されるだろう。ハッキリ言って勝つのは簡単だが、それでチヤホヤされて注目されるのも困る。私のモットーは注目されずに平和に生活する事だ、ならどうするか、答えは簡単だ、
ぽんっ…
適当な所で当たればいい。之で、注目されずに外野に行ける。しかも、当たったのが結構強い球だったから怪しまれる事は無いだろう。外野なら、人も増えるだろうし私が投げる事は無いな 。
〜 数分後 〜
勝負は此方が多少劣勢と言った所か、まぁ勝敗なんてどうでもいいんだが、
「え〜っい!」
照橋さんが投げた球は強い球とは言えなかったが、何故か皆がその球に向かって当たりに行った。
何でだよ。ここまで来ると照橋さんには魔性の魅力でも着いてるんじゃないかと思ってきたぞ。いや、でもあの美貌だと意外と有るのかも知れないな。
やはり侮れない、とAは思い。気付けば内野には夢原さん1人となっていた。すると、夢原さんは此方に手を振っていて、「ボール!パスして〜!」とAに声を掛けた。
マ ・ ジ ・ デ ・ ス ・ カ
9話x 熱血?ドッジボール (後編)→←7話x 2人は超能力者
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作者名:ミックスジュース | 作成日時:2021年6月26日 21時