16話x 天Ψマジシャン!?蝶野雨緑 ページ16
「アメージング!奇跡のイリュージョニスト蝶野雨緑のスーパーマジックショー始まるよ!」
学校の帰り道、路上でマジックショーの開催を声高らかに宣言した蝶野雨緑、自信ありげな蝶野を見て、どんなマジックか気になった私と斉木はマジックショーを見る事にした。
ていうか、その頭の鳩は最初に使うんじゃないのか?
「ハイ!ここに何の変哲も無い箱があります」
『(いや、中にめちゃくちゃ鳩が居るが…)』
「勿論、中には何もありません」
【まあその角度なら仕切りは見えないな】
蝶野がステッキで箱をひと叩きすると、箱の中から複数の鳩が空に飛び立つ。それと同時に観客から歓声が沸きあがる。
「どうだい少年少女!アメージングだろ?」
『【(ノーアメージングだ)】』
そもそも透視が使える私と斉木はマジックなんて時間の無駄なのだ。
…それよりその頭の鳩はいつ使うんだ?
私と同じ考えをしているであろう斉木が蝶野の被っている帽子を見る。
「さぁ次は本日のメインイベント!最高にAmagingなスーパーイリュージョンタイム!今から助手のマイケルが箱から箱にテレポートします。カモン、マイケル!」
【"マイケル"っていうか"イケさん"って感じだな】
『誰だイケさん。』
「マイケルが箱に入りました。ドラムスタート!ダラララ…」
『【(口でやるのかよ…)】』
観客がザワザワしている中、蝶野雨緑は奇妙な動きをしながらダラララ…とドラムを口でしている。このマジックは、マイケルが後ろの土台の下を通り抜け、隣の箱へ移動する…というのが仕掛けなのだが、蝶野が箱を開ける瞬間に移動が終わらなかった為、このマジックは失敗した。
自信満々と披露したが失敗した時を見た人は、どんな顔をすればいいのだろう。
「もう頼むよイケさん!」
『【(ホントにイケさんだった。)】』
「仕方ないだろ、あんちゃんのタイミングが早かったんだから。ほれ手伝い料の500円」
「誰からもお捻り貰えなかったんだから今回は無しだよ!もう!ん?あれ、君達まだ残ってたの…え?あ…お金?ハハッいいよ、気にしなくて。君達のような子供からお金なんて…」
私と斉木が無言で帽子を指しているのに気が付いたのか、帽子を脱ぎ中を見ると、「ピー子ぉぉぉぉぉ!!!」と絶叫していた。
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作者名:ミックスジュース | 作成日時:2021年6月26日 21時