【クレしん】キレイなお姉さんはオカマだった【暗黒ﾀﾏﾀﾏ】

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「･･････というか、なんでベビーシッターやってるの？」

「なんで･･･成り行き、かな...
元々 野原さん家の隣のアパートに住んでたんですけど、隣人のバカップルの痴話喧嘩に巻き込まれることが多くて、たまに逃げ込んでたんです」

「バカップルのケンカなんてしょーもなさそうね」

「ご飯に味噌汁をかけるか、ご飯を味噌汁に入れるかで部屋に来ましたよ」

「くだらないわね･･･」

「そもそも私、そういうことするの嫌な人間なんで｢どっちも嫌い｣の一言でドアを閉めました」


冷めた目をしたAにかける言葉が見つからなかったラベンダーだった。


「あ、それで、逃げ込んでたりしてたらみさえさんが買い物に行ってる間ひまちゃんを見てたり、晩ご飯をご馳走になったり、しんちゃんのお願いで泊まることになったり...」

「大体の流れは分かったわ。
じゃあ仕事...というか学生？」

「いえ、大学は卒業しました。
今は、たまにバイトに行ってます。
野原さん達にはお世話になりすぎているので、必死に貯めてるところです」

「･･･」

「こんな状況だけど、恩を返したいんです」

「だからって命張ることないと思うわ」

「命が狙われてるかもしれないんですからそれくらいしないとって...」


それに、とAは続けた


「生まれてきた命は大切にしたいじゃないですか･･･」


悲しげに笑うAを見て、ラベンダーは胸がグッと締め付けられた。


「(なんで･･･そんな悲しそうな顔、するわけ？)」

「さてと、そろそろ戻りましょうか...」

「えぇ...
Aは子ども好きなの？」

「･･･そうですね、夢は保育士さんだつた(・・・)くらい好きです」


Aは振り返らずに車へ戻っていった。
ラベンダーは過去形なのが少し気になりながらもAの後を追った。

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