【終末戦記CS】世に生を得るは事を為すにあり

--- ページ10

■過去

天使としての意識が高いために、天の使いにふさわしくない者は徹底的に排除してきた。
全く仕事をしない怠惰な者、周りに被害を及ぼす暴力的な者など、どうしようもない者達から、仕事ができず要領の悪い者、冤罪を掛けられた者まで。そのどれもが善人であろうが無実だろうがオルディゴがそれに気づくことはない。少しでも異端に思えば、罪のない者たちにも関係なしに糾弾し、追放してきた。
(ただ、オルディゴは美醜や見目の差に疎いため、見た目が欠けている、醜いなどの理由では差別はしないし追放もしない。あくまで能力的に劣っている者に対して)

天使の監視・管理を任されていたオルディゴは、神の意思を語り、勝手な判断で好き勝手していたのである。一端の天使が神の意を語るなど不敬で傲慢極まりないが、彼に悪気はない。ただ掃除をしているだけの感覚。神のため、ひいては天界のためになると思っての行動である。それが余計にタチが悪い。神への忠誠心と天使としての尊厳、そしてその真面目過ぎる性格が故に、彼を極端な行動に走らせている。
エスカレートしていく彼の行いに、ついに天界の秩序を乱しているのは他でもない彼自身だと指摘され、追放される。
悪魔に身を堕としたが、その心は天使の頃と何も変わらない。傲慢で高潔で無垢で残酷で清廉潔白なまま。

---→←備考

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す