【銀魂】10月10日、奇跡の日【坂田銀時】

奇跡60 ページ21

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(…どこに行ったんだろう。)



カチコチと秒針を鳴らす時計に目を向け、それから彼らが飛び出して行ったドアへと視線を戻す。


神楽ちゃんと新八君がいきなり飛び出して行ってからかれこれもう10分は経つ。いきなり1人にされた私はどうすれば良いのか途方に暮れて居た。


彼らを探しに行こうにも、私しか居ないからここを空ける事も出来ないしそもそも右も左も分からない所で彼らを探すのは無理がある。絶対迷子になるに決まってる。だって私方向音痴だもん。






(……大人しく待ってるしかないか、)







新八君が持って来てくれた苺牛乳を一口飲み、ふぅ…と息を吐いた。


甘さと、苺独特の酸味が口の中に広がる。

これも銀時さんに言われて買ったのかな？銀時さん、超の付く甘党だもんね。…そこは変わってないんだね。







「……銀時さん」





あれから何年経った？
甘党なのは変わってないみたいだけど、きっと色々変わった事もあるよね？
前よりもっとカッコよくなったかな。あ、高杉さんとか桂さんとか、あと坂本さんとかはどうしてるかな？工藤さんも………。








「早く、会いたい…」


忘れられてたらどうしよう。って言う怖さもあるけど、それよりも貴方に会いたいって言う想いの方が強い。



徐にソファから腰を上げ、机に近づきそっと撫でる。


貴方に触れたい。抱きしめて欲しい。
声が聞きたい。私の名前を呼んで欲しい。


欲が、願望がどんどんと出てくる。





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「銀時さん…ーー、」



机を撫でながらまた彼の名前を呼んだ。…と、その時。








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「…呼びました？」






大好きな彼の変わらない声がした。

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