【銀魂】10月10日、奇跡の日【坂田銀時】

奇跡58 ページ19

「―――銀ちゃんは今でもA姉のこと好きアル。忘れて無いアル」




神楽ちゃんは真っ直ぐな目で私を見てハッキリとそう言った。



『…え？』




行き成りの言葉にポカンとしている私にニコッと可愛らしい笑顔を向け「だってネ？」と続ける。





「こんなに自分のこと思ってくれる人を忘れる訳ないネ！好きじゃなくなるわけ無いヨ！！」





人の感情と言うモノはそう単純な物じゃない。思ってくれているからその人をずっと思い続けるなんて出来たら浮気とか離婚とかこの世に存在しないはずだ。だけど…、





『…ありがとう、神楽ちゃん』





何故か、神楽ちゃんの言葉に安心してる自分が居た。彼も忘れてないかもと思った自分が居た。



太陽のような笑顔に笑い返すと照れながら「お礼を言われる事でもないヨ」と。





「あれ？なんの話をしていたんですか？？」



コップをお盆に乗せて、私を神楽ちゃんを見て首を傾げる新八君。それに対し「眼鏡にはまだ早いネ」と良く分からない暴言を吐く神楽ちゃん。




「眼鏡関係ないでしょ！？」


「いや、関係あるネ。ありまくりネ。聞きたかったら眼鏡やめて人間になれヨ」


「僕は元から人間だぁぁ！！」





賑やかだなァ。クスクスと笑いながら二人のやり取りを見ていると神楽ちゃんが何かに気付いたらしくハッとして私を見た。そして大きな声で「新八！これから姉御のとこ行くアル！」といきなり新八君の腕を取り飛び出した。



『…え？ちょ、2人とも…！』





.





.





「え！？ちょっ、神楽ちゃん！！？いきなりどうしたの！？」



「良いから行くんだヨ！」



「え、でも今日は銀さんの……」
「察しろ眼鏡！これだからお前はダ眼鏡なんだヨ！！」

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