【銀魂】10月10日、奇跡の日【坂田銀時】

奇跡50 -銀時side- ページ11

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「―――おぉ、銀時ではないか！元気にしていたか？？」




ブラブラと歌舞伎町を練り歩く俺の背後から聞こえたバカ丸出しの声。聞き覚えがありすぎるその声に眉間に皺を寄せ無視して歩みを進める。…馬鹿と関わるとロクな事ねぇ。


しかし奴がそう簡単に諦めるはずもなく「おい！無視するな！！泣くぞ！！」とこれまた大きな声で叫ぶ。泣くなら勝手に泣けよ良い年扱いてみっともねぇ。



「ひどい銀時、私とは遊びだったのね！あんなに激しい夜を何回も過ごしたのに…！！」
「おい、いい加減にしろよヅラ。ぶっ殺すぞ！！」


「ヅラじゃない桂だ！！」



何勘違いされる様な事言ってんだこいつ！！どんすんだよ、変な噂立っちゃったらさぁ！
そんな俺を他所に「やっとこっちを向いたな！」とヘラヘラ笑うヅラ。マジでコイツ腹立つ。





「何の用だよ、用がねぇなら早く消えてくんない？銀さん今ちょっとナイーブになってっから、お前の馬鹿さ加減に付き合ってらんないから」



シッシッと追い払う様に手を動かすとヅラは「久しぶりに会ったのにそれは無いだろう。茶でも飲まないか？奢るぞ」と。







*







「いやー悪ィね。さすがヅラ、俺もお前に会いたかったぜ」

「そうか、だったら銀時も一緒に攘夷活動を…」
「しねぇよ」






運ばれて来た三色団子に上機嫌な俺。隣に居るのがこいつなのは気に入らないが、奢られるんなら話は別だ。

この世の宝ともいえる糖分を口に入れ幸せに浸っていると、ふと鋭い…否、気持ち悪い視線に気付く。




「・・・え、何？」



なんでそんな見つめてくんの？食いづれェんだけど…。一向に俺から視線を外さないヅラは「…夢を見た」と悲しそうな目をして口を開いた。




「――――A殿の夢だ」





‟A”…その名前に団子を持つ手がピクリと動く。

ヅラがあいつの名を口にするのは珍しい事だった。…と言うのもあいつが居なくなってしまった日から、兵士たちはもちろん俺たちもその名を口にするのを避けていたからだ。




名を出す事自体珍しいのに、その上俺と同じようにあいつの夢を見たと言うヅラに驚きが隠せず「……俺も見た」と言えば、こいつも驚いたのか一瞬だけ目を見開いた。





「………どんな夢を見たんだ？ヅラ」

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