437、拒絶 ページ41
(…でも、そっか、ベルナルドさんがやったんじゃなかったんだ…)
…っていやいや、まだ「あー良かった」では終われないんだって。
「じゃあ、一体何で食中毒なんて…」
「話はそれだけか？私にはお前と謎解きをしている時間はないのだが」
「い、いやっ、あの」
聞きたいことならまだある。
必死に会話を繋ぎ止めようと、髪飾りを外し、手に取ってみせた。
「……これ、覚えてます？」
何故、質問が山ほどある中からそれを聞いたのか、自分でも分からない。
「ベルナルドさんが、これをくれた時に……」
「覚えていないな。昔のことなど」
話の途中で遮られ、ピシャリと音がしそうだ。
「お前は過去に捕らわれ過ぎている。あれから何年経っていると思っているんだ」
きっとこの人にとっては、私といた記憶なんて大した思い出じゃないんだ。
「……じゃあこれから、どんな気持ちでこれを持っていれば良いんですか」
「私からの贈り物など所持したくはないだろう。捨てるなり燃やすなり好きにすれば良い」
食中毒の件が誤解だったとはいえ、この人が変わったことは事実。
もう優しかったあの人じゃない。オリオンの人だ。
「言っておくが会うのはこれが最後だ。次はない」
ここまで拒絶されるなんて、相当嫌われているんだな、私。
「……分かりました」
これでもう、本当に終わりだ。
最初から、何も無かったことにしよう。
この人との関係は、おしまいにしよう。
恩人だとか、大切な人だからとか言って、現実から目を背けていただけなのかもしれない。
今と昔は違う。
これからは、ただの敵として…。
「…………」
「どうした？気が済んだのなら早く帰れ。二度と来るな」
これで、本当に良いの？
「駄目だ…」
「……？」
気づけば、そう声に出していた。
この出会いをなかったことになんて、やっぱりできない。したら駄目だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます！更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります！ (2020年3月3日 3時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます！！紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります！このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます！！無理せず更新頑張ってください！応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2019年12月4日 0時
