435、行動力 ページ39
「それで？倒れてたはずの君がどうしてここにいるのかな？」
(あー怒ってる。笑顔で取り繕ってるつもりだろうけど目だけ笑ってないよフロイ)
財団本部に向かっている途中で普通にフロイと出くわし、普通に説教タイムが始まってしまった。
「こっちは大丈夫だから心配するなって言ったよね？」
普段穏やかな人が怒ると怖く、思わず後ずさりしそうになる。
「……ごめん。でも、私もどうしても話しておきたいことがあったから」
危ないってわかってる。それでも、自分の本能が行けって言ったんだ。本当に。
自分で言うのも何だけど、私の本能は割と当てになるのよ？いや本当に。
必死に謝るAを前に、ため息を吐いた。
「それでわざわざここまで？だとしたらその行動力だけは褒めるよ」
「はは…」
「…まあ、気持ちは分からなくもないけど。Aは兄さんのことが大好きだったからね」
「…お互い様だよ」
「仕方ないなあ、ついて来て」
「え、良いの？」
「ここまで来たのに帰れはあんまりでしょ」
フロイにお供させてもらいながら、色々と話を聞いた。
「僕も、さっき兄さんと話して来たんだ。光と一緒にね」
つい先程まで一星が共に行動してらしく、どうやらAとは入れ違いになったらしい。
「何か聞けた？」
「…ああ…それが、おそらくだけど、食中毒を仕向けたのは…」
フロイが何か言いかけた時、
「フロイ様、お帰りですか？」
フロイ様、と呼ぶ少ししわがれた男の声。いつのまにかすぐそばに、どこかで見たことのある老人が立っていた。
走行会の時モニターに写ってた人だ。あの時はこの人が黒幕だと信じてたな。
名前は確か、グスターブさんだっけ？
するとグスターブはAの顔を見た瞬間、顔色を変えた。
「西村 Aだな」
「！」
「ベルナルド様がお待ちだ」
「え…」
突然のことに驚きを隠せず、フロイとAは顔を見合わせた。
グスターブに続いて本部内の廊下を歩いていると、そっと囁かれた。
「これからはあまり危ないことはしないって約束して」
今回はたまたま上手くいったけど、とフロイ。
「ご、ごめん…」
「君はまだわかっていないんだ。オリオン財団の真の恐ろしさというものを」
今の言葉の本当の意味は、Aはまだ知らない。
罠かもしれないとも思い終始警戒していたが、あっさり理事長室まで来ることができた。ベルナルドが誘導したのだろう。
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紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます！更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります！ (2020年3月3日 3時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます！！紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります！このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます！！無理せず更新頑張ってください！応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年12月4日 0時
