378、今日だけは ページ32
ロシアとの試合当日。
本日もスタジアムは超満員。うっすらと聞こえてくる観客の声に、ますますAに闘志が湧いてくる気がした。
「あ」
ユニフォームに着替え終えフィールドへ向かう途中で、フロイと鉢合わせした。
「A……」
フロイは一瞬気まずそうに顔を逸らしたものの
「怪我の具合はその後どうだい？」
まだ多少の擦り傷が残っているAの顔を見つめ、そう聞いてきた。
「ああ、もうすっかり良くなったよ」
「それは良かった」
みるみる顔がほころぶフロイ。心配してくれていたんだと思うと、嬉しいような申し訳ないような複雑な心境のAだった。
「今日は頑張ろうね、お互い」
Aがそう言うとフロイはキョトンとした顔をしたが、次第に花が咲いたように笑顔になった。
「ああ！」
久しぶりにフロイの笑顔を見た気がして、ほっとするA。
「僕は君たちと戦うことを、とても楽しみにしていたんだ。だから相手が君でも手加減なんてしないからね」
「当然！」
勝つ自信をみなぎらせるフロイに、Aも強く頷く。
いよいよこの日が来たんだから。今のお互いの実力をすぐそばで見られる時が。だから今日だけはいざこざとか全て忘れて、全力で戦おう。二人はそう誓った。
だがその後すぐに、趙金雲の口から衝撃の事実を聞くことになる。
「不動君は日本に帰りました。負傷した足の治療のためです。今頃は空港でしょう」
そう告げられたのは、スタメンを発表された直後だった。
不動の負傷というのはアメリカ戦で地雷原を受けたことが原因だと思われる。
俺だっていつまでもここにいられるわけじゃない……ああ言ってたのは、こういうことだったんだとAはようやく察した。
「ロッカー室で会ったぜ」
と、ヒロトがその時のことを語り始めた。
「絶対に世界を掴めよ」……その際に不動はそう言っていたという。
「不動がそんなことを……」
円堂をはじめとして、一同は寂しそうに表情を曇らせる。
皆には一言も言い残すことなく居なくなるあたりが、「孤高の反逆児」らしい。
「あいつの魂は、俺たちと共にある」
豪炎寺の言葉に、一同は強く頷いた。
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飛鳥 - いちいちパスワード認証がでるのですか？なぜですか？ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 沙希子さん» あたたかいコメントありがとうございます！最近更新が遅れ気味で大変申し訳ございません。最終回に向けてこれからも更新を頑張っていくつもりですので楽しんでいただけると幸いです。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 更新焦らず頑張ってください!続き凄く気になります。 (2019年11月17日 6時) (レス) id: 03fe093666 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - そそそさん» コメントありがとうございます！1番ですか！？とても嬉しいです！ありがとうございます！！更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月23日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - 今まで見たイナアレ小説の中で1番おもしろいです。更新楽しみにしています！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 924231b153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月29日 21時
