379、弁当 ページ33
スタメンに選ばれたAはある問題を抱えていた。
(……髪飾り、どうしよ…)
今まで実行してきたルーティンを崩すわけには。いや、オリオンの人から貰ったものを身に付けて試合に臨むのもなんだかな……。
髪飾りを手に持ったまましばらく固まっていると、杏奈が肩を叩いて来た。
「A？そろそろポジションに」
「あ…うん！」
迷った末、Aは髪飾りを杏奈に差し出す。
「……あのさ杏奈、これ…」
「ん？」
「……えっと……」
「試合が終わるまで預かってて欲しい」…そう言いたいはずなのに、言葉が出ない。
「……ううん！行ってくる！」
咄嗟に髪飾りをポケットに入れる。
結局、本日も髪飾りを身につけたまま、フィールドに向かうことにした。何故か手放すのを躊躇ってしまったから。
キックオフを迎えて間も無く、フロイがボールを奪い、必殺技を放つ。
「イノセント・ドライブ！」
ステンドグラスの空間が広がる中、フロイがクリスタルに包まれたボールに右足を下ろす。
あれが、フロイの必殺技。
初めて見たけど、やっぱり凄い。
ゴール前にはのりかが待ち受けている。のりかも必殺技で対抗する。
「マーメイドヴェール！」
雷門最強のキーパー技も、シュートの威力に耐えきれず、失点した。
「のりか…！」
のりかの元へ駆け寄ると、申し訳なさそうに俯いた。
「ごめん…止められなかった」
「気にしない気にしない！これからだよ」
のりかを鼓舞するべく背中に手を添えると、小さく「うん」と頷く。
やたらとのりかの元気が無いような気がする。確かにフロイのシュートはすごかったけれど。
Aがそう感じた時、円堂は立ち上がった。
立ち上がるなり、声を張り上げる。
「のりかーー！！お前、俺の最新必殺技を知っているかーー！？」
その声で、のりかを含めたフィールドにいる全員が円堂の方を向いた。
「「ダイヤモンドアーム」！あれな、クラリオの「ダイヤモンドレイ」と、西蔭の「キャスティングアーム」をパクったやつだぞー！！」
「パクったって…その言い方…」ベンチでは西蔭が苦笑いしていた。
「っていうかな、サッカーは母ちゃんの弁当だ！」
急に何を言い出すんだと、全員が頭の上にハテナマークを浮かべた。
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飛鳥 - いちいちパスワード認証がでるのですか？なぜですか？ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 沙希子さん» あたたかいコメントありがとうございます！最近更新が遅れ気味で大変申し訳ございません。最終回に向けてこれからも更新を頑張っていくつもりですので楽しんでいただけると幸いです。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 更新焦らず頑張ってください!続き凄く気になります。 (2019年11月17日 6時) (レス) id: 03fe093666 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - そそそさん» コメントありがとうございます！1番ですか！？とても嬉しいです！ありがとうございます！！更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月23日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - 今まで見たイナアレ小説の中で1番おもしろいです。更新楽しみにしています！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 924231b153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月29日 21時
