338、不測の事態 ページ42
Aたちはある光景を目にし、開いた口が塞がらなかった。
クラリオたちスペイン代表が、6ー0でロシアに惨敗。
ミーティングルームのスクリーンに倒れているクラリオたちが映し出されている。
「あのスペインがここまでひどい負け方をするなんて」
「ランキング的にはロシアよりもスペインの方が上だったはず。一体どういうことだ」
次から次へと、信じられないという声が飛ぶ。不測の事態に一同は混乱していた。
(クラリオさん…)
Aは口に両手を当てたままモニターから目を離せずにいた。
クラリオたちは大丈夫だろうか。倒れている彼らを見ていて、次第にそればかり気がかりになってきた。
「最初の試合とポジションが変わっている。彼らがアピールしていた通り、自由自在というわけか」
空港でフロイが言っていたことを思い出し、野坂が呟く。
「ロシアはオリオンなんだろ？また汚ねえ真似をやりやがったか」
最初からフロイたちに良い印象がないヒロトは疑いの目をスクリーンに向けている。
「いえ。試合を見ていて、今回においてはそんなプレイはありませんでした。ロシアのプレイがすごすぎたんです」
だがそれには一星が異議を唱えた。
「特にあのフロイという選手の動きは尋常じゃなかった。今まで手を抜いていたということか」と野坂。
一星の見立て通りアメリカ戦でだって、本当にわざと負けていたということになる。
「アメリカの時に手を抜いた理由は、アメリカに勝ち点を取らせる為…ということでしょうか」
「さっすが元オリオン」
敵の行動の意図を分かりきったように解釈する一星に、ヒロトが冷やかしを入れる。
「参謀役として、生かせる知識は全て生かします」
またいらんこと言うんだから…。と、Aはヒロトに対して呆れたが、一星はそんなヒロトに冷静に返した。
「でもフロイは、チームにオリオンはいないと言っていなかったかな？」
「はい。俺にはフロイが嘘をつくとは思えません」
野坂の問いかけに、一星は迷いなく答えた。
確かにフロイは嘘をつくような人じゃない。それはAにも分かっていた。
「だとすると、ロシアには試合のコントロール以外に、何らかの意図がある…」
「ロシアの実力なら、体力温存の為の調整という余裕なのかもしれない」
野坂、そして風丸も自分の考察を口にする。
「それは考えられますね」
だとしたらフロイ、あなたはとても強くなっているね。
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紅葉(プロフ) - 夜空さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただいてとても嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2019年9月29日 11時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - とても面白くて新しい更新を楽しみにしてます！タツヤの恋も応援したい！ヒロトの恋も応援したい！どうなるの〜汗 (2019年9月29日 2時) (レス) id: d246f2b775 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ドルチェさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！これからも更新頑張ります！！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 紅葉さん,いつも楽しみにしてます！これからも拝読させて頂きます！頑張ってください！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: 697128a6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます！アツヤの登場でさまざまな人間関係が大きく変わっていく、ということをテーマに書いていく予定ですので、楽しんでいただけると幸いです。これからも頑張ります！ (2019年9月14日 8時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月8日 22時
