328、上も下もない ページ32
フィールドの魔術師、それにふさわしいプレイを見せてくれる一之瀬に、みんな圧倒されていた。
そしてフィールド上で行われている迫力ある試合展開に、客席からは大歓声が飛んできた。
「な、なんだこの大歓声は？まさか俺たちに向けられたものなのか」
コブラがそれに気づき、困惑した。
「こんなこと、今までになかった…」
その途端、コブラたちの目が変わったのが分かった。
「調子に乗ってんじゃねえ！」
迫ってくる灰崎。コブラはそれをかわし、ドリブルで進んだ。
「やるじゃないか、コブラ」
マークが並走しながらコブラを讃える。
「お、俺は今、何を？」
「決まっているだろ、サッカーだよ！」
マークの一言で、コブラはハッとした。
「サッカーは互いを傷つけ合う道具じゃない。ボール一つあれば、みんな夢中になれる。それが本物のサッカーなんだ！」
と土門。
「みんな、聞いてくれ！もうオリオンも反オリオンも関係ない！日本と正面からぶつかって勝負してみたくないか？胸の奥底から沸々と燃えたぎるような本物のサッカーで！」
一之瀬の言葉にアメリカ代表からはもう何一つ迷いはなくなった。
「俺たちを救ってくれたのはオリオンからもらった金なんかじゃない。仲間とサッカーを続けることだったんだ！」
「ようやく本音が出たね」
サッカー選手としての自分が目覚めたコブラたちに、一之瀬は微笑んだ。
「一之瀬、今この瞬間から俺たちはお前の指揮下に入る。何でも命令してくれ！」
ネイビー・インベーダーの選手たちが敬礼する。だが一之瀬は首を横に振る。
「違うよ。チームの中に上も下もない。俺たちは同じ目標を持った仲間なんだ！」
「お前らもサッカーが好きだから、厳しい特訓に耐えてこられたんだろ」と土門。
「もうこのチームに司令官はいない。サッカーを始めた頃みたいに、自由にプレイしていいんだ！」とマーク。
「さあ、思い切りサッカーしよう！」
一之瀬がそう言うと、「オー！」と、アメリカチームの声が響き渡った。
とても即席チームとは思えない、すごいコンビネーションの嵐だ。
「決めろ、一之瀬！」一之瀬がコブラからパスを受ける。
ついに円堂さんと一之瀬さんたちの対決。2人共この時を待っていたと言う表情をしている。
「ザ・フェニックス！」
一之瀬、土門、マークのシュートはダイヤモンドハンドを破りゴールに突き刺さった。
「くっ、やってくれるな！」
点を取られたとはいえ、円堂は楽しそうに笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉(プロフ) - 夜空さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただいてとても嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2019年9月29日 11時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - とても面白くて新しい更新を楽しみにしてます！タツヤの恋も応援したい！ヒロトの恋も応援したい！どうなるの〜汗 (2019年9月29日 2時) (レス) id: d246f2b775 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ドルチェさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！これからも更新頑張ります！！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 紅葉さん,いつも楽しみにしてます！これからも拝読させて頂きます！頑張ってください！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: 697128a6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます！アツヤの登場でさまざまな人間関係が大きく変わっていく、ということをテーマに書いていく予定ですので、楽しんでいただけると幸いです。これからも頑張ります！ (2019年9月14日 8時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月8日 22時
