260、仲直りは早めに ページ13
早速、析谷考案のもと状態起こしやランニングなどトレーニングに励むイナズマジャパン。
析谷「ここからはデータ分析による個人別のメニューだ。明日人、悠馬、鉄之助」
明日人、野坂、剛陣と、個人別にプリントされたデータを渡していく。
野坂「なるほど。これは理にかなった分析ですね」
受け取ったプリントを見て、野坂が納得した。
析谷「僕はフィジカルトレーナー兼データ分析担当だからね。明王」
不動も少し遅れながらも「…俺か」と反応した。
析谷「雄一郎、高志」
岩戸「名前で呼ばれるの新鮮でゴス！」
「僕、そういう感じなんだよね」と爽やかな笑顔を見せると、Aのことも同じように呼んだ。
析谷「A」
貴女「はい！」
析谷「女性にも厳しく指導していくからね」
貴女「もちろんです！よろしくお願いします！」
データを渡しながら念を押す析谷だが、Aにとっては女性だからと手加減されるよりよっぽど嬉しかった。
野坂「…次の相手はとうとう君の大本命であるスペインだからね。良かったね、Aさん。初戦から君の望んでいた試合ができるよ」
貴女「！」
気合い充分のAに向けてはやし立てる野坂。
貴女「だ、大本命って…」
どこか野坂君の言い方に悪意が感じられるんだけど。
析谷「Aはスペインと戦いたかったの？」
貴女「え…ええ、まあ…」
析谷にまで自分の目標がばれて、Aは照れ臭くなった。
でも、私はずっとこの時を待っていた。それは事実だ。
析谷「それなら、仲直りは早めにね」
貴女「！」
析谷はそうAにしか聞こえない声で囁いた。
析谷「誰かさんと喧嘩しているみたいだけど、気持ち良く試合を迎えるためには仲違いなんてしてる場合じゃないよ」
そう言って析谷はヒロトにちらりと視線を移した。Aが誰と喧嘩しているのかまで析谷にはとっくにお見通しだった。
貴女「…気づいてたんですね…」
会ったばかりの析谷にまで気づかれてしまうほど、自分達の空気は目に余るものだったらしい。
貴女「すみません…」
本当に情けないわ。
当のヒロトはそんな話をされていることなど知るよしもなかった。
基山「…いい加減仲直りしろよ」
何やらコソコソ話しているAと析谷を見て苛立っていたヒロトにタツヤが助言を出した。
吉良「…うっせえな。わかってるよ」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年8月23日 13時
