天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。6【オリオンの刻印】 (ページ14)

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261、吹雪アツヤページ14

休憩時間中にフィールドに戻ってみると、明日人、灰崎、野坂の3人が必殺技の特訓をしていた。

新しい必殺技かな？…いや、あれは…

野坂、灰崎、明日人の順にボールを扱うその動きは、どこかで見たことがある。

あれってまさか。

貴女「ラストリゾート…？」

もしかして、あの3人でラストリゾートを完成させるつもりなのかな？

だがそう簡単に習得できる技ではない。3人のラストリゾートはコントロールが難しいようで、ボールは違うところへ飛んでいってしまう。

それでも諦めることなく特訓を続ける3人を見て、Aは居ても立ってもいられなくなってきた。

私もこうしてちゃいられない…

違う場所へ特訓に行こうと踵を返そうとした時。

「必殺！ロシアのクマゴロシ・斬！」

貴女「！？」

聞いたことのある声が聞こえ、振り返った。

その人物の蹴ったボールは雪煙を上げながら明日人達の横を抜け、ゴールに突き刺さった。

灰崎「吹雪アツヤ！」

貴女「…えっ…」

立っていたのは確かに、白恋のFWである吹雪アツヤだった。

どうして彼がここに。

アツヤ「どうだ、ロシア感あんだろ？」

貴女「…は？」

ドヤ顔でそう言うアツヤに違和感を覚え、首を傾げた。

「このあたり、シロクマいませんけど…」別の場所で特訓を見ていた一星も同じことを思っていた。

アツヤ「！」

貴女「…！」

じっとアツヤを見ていると、アツヤもAに気づき、目が合ってしまった。

アツヤはAをひとしきり睨みつけ、「フン」と鼻を鳴らしながらそっぽを向いた。

ジロジロ見過ぎて気分悪くさせちゃったかな。