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「ただいま……A?」






部屋の中は真っ暗だった。

今日は帰るって連絡入れておいたし、Aも遅くないって言ってたはずなのに。



とりあえずリビングに入ったけど、誰もいなくて。靴はあったから中にはいるんだろうけど。

隅から隅まで見回って最後は寝室。


扉を開ければ、ベランダに立っているAが見えた。





 

「A」


「……おかえり」


「ただいま」







おかえりと言ったAにいつもの覇気はなくて。

何かあったんだと考えなくても分かった。
 


どれだけ外にいたのか、すっかり冷えきったその体を引き寄せて抱きしめる。

 





「……何があった?」


「ユンギ……わたしっ……また、助けられなかったっ」







ぎゅっと俺に抱きついて、声を押し殺して泣くA。


助けられなかった、というのはそういうことで。正直に言うと、これが初めてじゃない。



命を預かるというのがどれだけ重く、大切なことか俺には分からない。けど、Aの姿を見ればその命の尊さは痛いほど伝わってくる。



 



「私、もっと強くなりたいっ……すべての命を助けられるくらいにっ」







Aが背負っているものは、俺なんかよりもずっと大きくて。

Aが壊れてしまわないように、繋ぎ止めるのが俺の役目で。



けど俺は、その役目を果たせているのか。
目の前で泣くAを抱きしめることしかできない俺は、Aを支えられるのか。

何か言いたいけど何も言えないのは、命のことを俺が簡単に口にしてはいけないと思うから。



結局、自分に何ができるのかなんてわかんねえ。




それでも、大切な人くらいはこの手で守り抜きたい。



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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ユンギ
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(プロフ) - ソユンさん» わー!ありがとうございます!完結したにも関わらず嬉しいお言葉......ジンペンのソユン様によかったらですが、私が今書いているジンさんのお話をオススメしたいです(殴) SINいいですよね!長男と次男の絡みはたまりません......読んでくださりありがとうございました! (2019年10月23日 17時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
ソユン - この話めっちゃ気に入りました!!私はジンとジミンペンですけどSINの絡みも大好きなのでめっちゃいいです!/^o^/ (2019年10月23日 17時) (レス) id: f87cf02fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ミロさん» ミロちゃん!!わざわざこちらにまでありがとう!私がユンギさんペンということもあって、このお話は私の好きだけを詰め込もうかなと...笑笑 少し切なく、あま〜いユンギさんとの日々に癒されちゃってください!ミロちゃんの応援ももらってまた頑張ります! (2019年10月7日 20時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 閔ちゃん!癒されに来ちゃいました(o^^o)そしたらほんとにほんとに癒されましたー(*^^*)ユンギさん好きすぎる…(о´∀`о) (2019年10月7日 20時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 猫わかめさん» 新作ですよぉぉぉぉ!そしてユンギさんですぅぅぅぅ!私の好きを詰め込むつもりですのでぜひ、楽しんでいただけると嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります!! (2019年9月22日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月22日 22時

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