Destiny

運命7 ページ7

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……やばい。どうしよう。逃げれないよね、これ。逃げようとしたらこっち来るよね。こっち来たら目立つよね。嫌だ嫌だ。目立つのだけは無理。

ずっとこっちを見てくるキム テヒョンの視線がそう言っていた。ユンギに助けを求めたけど、知らんぷりされた。クソ、もう奢ってやんない。
暫くして休憩時間に入ったのか、物凄い速さでこっちに向かってきたキム テヒョン。頼むからやめてくれ。女子の視線が怖いんだ。









「ヌナ、見に来てくれたの！？行かないって言ってたのに……やっぱり来たくなっちゃった？」


「違う」


「じゃあ俺に会いたくなった？」


「もっと違う」


「ううっ……まあいいや！来てくれただけで嬉しいから。俺、ヌナのこと一発で分かったんだよ。凄いでしょ？」


「あー、うん。凄い凄い」









そりゃ毎日顔見に来るもんね。分かんないわけないよね、君が。だからそんな笑顔見せないでもらえます？睨まれてるんだって。








「テヒョン、お前さっきシュートしてたろ」


「あ、ヒョン。ヒョンも来てたんですね！
そうなんです！ヌナ、見てましたか？」


「うん。見たよ」


「俺、かっこよかった？」


「女子たちが騒いでたからたぶんね」


「そうじゃなくて」








少しムスッとしてから私の手を握って胸の前まで持ってくると、何故か指を絡めてきて。
え、何してんのこいつ。なになに。気持ち悪いんですけど。








「ヌナはどう思ったか聞きたいの」


「……かっこよかった、かも」








真剣な顔で聞いてくるから、つい負けてしまった。私の返事に満足したのか、いつもの笑顔に戻ってまた練習に戻っていった。まだ握られた手の感触が残ってる。手なんて繋がれたのいつぶりだろ。


……変な感じ。








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