Destiny

運命23 ページ23

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「はぁ……なんだったんだろ、あいつ」








まだ鼓動が落ち着かない。それどころか、あいつの顔を思い出すたび鼓動が速くなる。

苦しいのに痛くない。もどかしいのに嫌じゃない。焦ってるのにびっくりするくらい落ち着いてる。








「ていうか、よく考えたら私……何しちゃってんの」








全部あっちからしてきたこととはいえ、抵抗も拒絶もせずに全部受け入れて。抱き締められたし、キスだってされたのに。

私たち、まだ高校生だよ。それに恋人でもなんでもないのに。
こんなこと、許されるのだろうか。私たちがしたことは、いけないことではないのだろうか。









「……あー、もうっ！いくら嘆いても悔やんでももう終わったことでしょ！何を今更……はぁ。やめやめ。早く忘れよう」









考えれば考えるほど、あいつのことが気になって仕方がない。気分も何もかも最悪。なのにどうしても気になって。
早く忘れたいのに、何度か見せたあの悲しげな顔が頭から離れない。


どうしてあんなに寂しそうな顔をしていたのだろう。言葉も行動も変だった。









「変なやつ……」









いつも軽々しく大好きだとか抱きついてきたりした。
でも、キスはおろか正面から抱き締めることもしなかった。あんなに切なく好きだって囁くことも。


だけど、あの顔を見てしまったら




もう前と同じようには見れない。







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