嘘17 ページ17
.
「あ、おかえり」
「ただいまー……っ、Aさん！？」
「ふふ。もうすっかり慣れたみたい」
あー、やらかした。普通に返事した5秒前の俺を殴りたい。
だってさ、おかえりって言われたら普通返すじゃん？まさか帰ってるとは思わねえじゃん？
「い、いつ帰ってきたんですか？」
「ついさっきだよ。今日は買い物してたから少し遅くなっちゃって」
「そうですか……」
キッチンの上には買ってきたものがまだそのまま置かれていて、ほんとについさっきだったらしい。
時間は午後6時34分。とすると6時くらいが定時。まあ普通か。
「あの、タピオカって知ってますか？」
「タピオカ？ああ、最近若い子たちが好きな黒いもちもちしたやつでしょ？」
「あ、それです。実は今日たまたまあったので買ってきたんですけど……」
「ほんと！？嬉しい！実はね、この歳にもなってまだ食べたことなくて……いつか食べようと思ってたんだけど中々時間がなくて」
嬉しそうに笑うその顔はやっぱりかわいい。こんな無邪気な笑顔もできるんだ、なんて。
そしてAさんもタピオカを食べたことのないという事実。名前を知っていたのには俺の流行遅れが垣間見えたけど、大丈夫。俺の方が先に食べた。よし、いける。
晩ご飯を食べて、カフェオレの中にタピオカを入れてAさんに出した。
「ん、おいしいっ。もちもちしてていいねえ」
「よかった。俺、好きなんです」
「ふふ。ジミン君に買ってきてもらっちゃって、得しちゃった。今度なんか奢るね」
「いやっ、大丈夫ですよ！俺が勝手にやったことですしっ」
それでも奢らせてと言うこの人に俺も身を引いてしまった。
あんなかわいい顔でね？なんて言われたら断れねえに決まってんじゃん。
「お兄ちゃんもジミン君みたいに気が利いたらいいのになあ」
「……あの、お兄さんはよくここに来るんですか？」
「私が言うのも変だけど、お兄ちゃんシスコンなの。だから週一でうちに来るんだよねえ」
お兄さん、まじか。だってAさん今25だろ？その歳になってもシスコンって。かなり痛いなお兄さん。
……でも守りたくなるのは分かる、かも。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 929人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
閔(プロフ) - ミロさん» ミロちゃん！！ありがとうございます！今絶賛ちょいワルジミンちゃんきてます...笑 私も愛されたい！と思いながら書いてます笑 (2019年7月28日 23時) (
レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 閔ちゃん 最高です！！うふふ。先が気になりすぎる…！！(o^^o)ちょっと悪いジミンちゃんに愛されたい願望が強すぎて床を転げ回ってます(o^^o)(o^^o)(o^^o) (2019年7月28日 23時) (レス) id: e16d743026 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - いつきさん» いつきさん！コメントありがとうございます！！どタイプですか！？嬉しいなぁ！無性に悪ジミンちゃんが書きたくなりまして...逆風俗の悪ジミンちゃん...最高ですよね...私も大好き((いつきさんの愛のビームしっかり受け取りました！これからも頑張ります！！ (2019年7月25日 19時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - どタイプの小説有難うございます美味しいです…。なんでそんなに面白い小説が書けるんですか！？悪ジミンさんすごく好きです…。いつも更新楽しみにしてます。これからも頑張って下さいと愛のビームが出てます。認知して下さいお願いします。 (2019年7月25日 19時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！あの可愛いジミンちゃんはどのへやら...の状態ですが、ちょいワルなジミンちゃんも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2019年7月24日 12時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：閔
| 作成日時：2019年7月23日 13時
