ごめん。 (ページ50)

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ごめん50 TH ページ50

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『テヒョンに出会えて良かった』

最後の言葉が頭から離れない。
泣きそうな目で俺を見つめた彼女の顔が頭から離れない。

馬鹿だな、俺。

Aは鈍くない、って分かってるから"ごめん"の一言で片付けて。

そんなの余計に苦しめるだけなのに。

だから、全部伝えようとした。
今の俺の気持ちを全部。

なのに、なんでだろう。

口からはごめん、しか出てこなくて。

彼女はそれさえも分かってしまって、
分かってる、ってずっと俺に言い聞かせてた。

もう何に対してごめんなのか自分でも分からない。

俺の中にあったのは、自分への恨みと謝罪と

まだAを愛しているということだけだった。

きっと、全部Aは気付いてる。
それでもまだ、俺たちはお互いを愛してる。

本気で愛した人だから。
ずっと一緒にいるって考えてたから。

なのに俺は、別れることを選んだ。
それだけは伝えたくて、なんとか言った。

久しぶりに触れたAは、何も変わってなくて。
Aとの思い出が蘇ってくる。
Aへの愛が溢れてくる。

Aの返事を聞いて、俺もなんとか言葉を振り絞って。

部屋から出て、トイレに駆け込んで。
馬鹿みたいに泣いた。

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A、ごめん。

まだ、愛してる。

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