ごめん。 (ページ46)

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ごめん46 ページ46

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どれだけ時間が経ったかは分からない。
彼はゆっくりと私の体を離した。

目が合って、お互い一つも逸らさない。
私の肩にある手が震えていて、私も拳を強く握った。

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「いつか……いつか絶対、全部伝えるから。
だから、今はこれだけ言わせて。

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A、俺と別れてください」

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なぜだろう。
"ごめん"と全然違う。

面と向かって、目を合わせながら
はっきり別れを告げられるって、言葉にできないくらい苦しい。

とっくに別れたはず。覚悟なんてできてる。

なのに、
行かないで、と言ってしまいそうになる。

でも、彼の迷いのない目を見て
彼は本気なんだって分かったから。

大きく息を吸って、一度だけ深呼吸。

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「…分かりました。
……ありがとう。テヒョンに出会えて良かった」

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涙が出そうなのを必死に堪える。
最後の最後に泣くなんてしたくない。それも彼の前で。
彼だって、必死に耐えてる。

私の返事を聞いて、静かに手を離した。

それさえも寂しく感じて。
彼が本当に離れていくことを示してるみたいだった。

「俺も……Aに出会えて幸せだった」

最後にそう呟いて出て行った。

ドアがバタン、と閉まる音を聞いて膝から崩れ落ちた。
それと同時に溢れ出す涙。

文字で見るのと言葉で聞くのって全然違う。
同じことを言われるだけなのに、感じ方がまるで違う。

はっきり言われるのって、こんなに辛くて苦しい。
好きだったから。大好きで、愛してたから。

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ねぇ、テヒョン。

ありがとう。私に愛することを教えてくれて。

愛していました。

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