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ごめん44 ページ44

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会いたくて、会いたくなかった人。




彼が目の前に、いる。









その現実に頭が真っ白になって何も考えられなくなる。


気まずいとか、苦しいとか嬉しいとかそんなの考えられなくて。
何か言うべきなのに、何か動くべきなのに体は動かなくて目の前の彼だけを捉えていた。









「A……その…」


「っ……久しぶり、だね。元気だった?」


「あ……うん。元気だった。Aは…」


「…元気、だったよ」









彼がこれから言う言葉を聞きたくなくて、無理矢理言葉を発した。




元気なんだなんて嘘。
ほんとはずっと、貴方が頭から離れなかったなんて。









「そ、そういえばこれ取りに来たんだよね。どうぞ。
……じゃあ、私はこれで」


「ま、待ってっ……」









横を通り過ぎようとしたところで、腕を掴まれた。


立ち止まって彼の方を振り返る。
その手を振りほどけばよかったのに、できなかった。
彼の手が震えてたから。
それに気づいた途端、振りほどくなんて考えはなくて。









「……ごめん」


「……分かってる」


「ほんとはっ……まだAのこと……




……ごめん」


「……分かってる」


「ごめん、ごめん……ごめんっ」


「……分かってるから」


「……Aっ」









泣きそうな顔で私を見つめて。
やめてよ。私までつられちゃう。





"ごめん"しか言えない貴方にこんなに怒りが湧いてるのに。


まるで自分が被害者みたいに辛そうな顔してる貴方がこんなに嫌なのに。








貴方の腕の中で安心してる私がいる。


そのぬくもりを求めている。









.







いっそのこと、私を突き放してくれればいいのに。



貴方への愛が溢れて、止まらないの。









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mii(プロフ) - キュンキュン (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月13日 21時

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