ごめん12 ページ12
.
午後になって一番に私に資料を見せてくれた。
一通り目を通していく。
「完璧……」
「何がってこれ新人用の資料じゃん。俺たちもやったね。これ、チョン君の?もう出来たの!?」
「うん。そうみたい。それに一つも無駄なく書かれてる。完璧だよ」
「ナムジュナより凄いんじゃない?期待がかかる新人だねぇ」
なんて呑気なことを言っているこの男。
分かっているのか。自分に重要な仕事が回ってこなくなるかもしれないのに。
それに、怖くないのだろうか。
こんなに完璧な新人がいて。
私は、怖い。
「ありがとうチョン君。すごく良かった。私よりずっと上手だよ。このまま提出すればいいからね」
「……ありがとうございます」
褒められることに慣れていないのか、少し照れながらお礼を言った。
え、かわいい。
怖いって言ってごめんなさい。
多分笑ったらもっとかわいいんだろうな。
「ふふ」
「……何か変ですか?」
「あ、ううん。ごめんね。何でもないよ」
想像したら思わず笑ってしまった。
もしかしたらさっきのが彼の素なのかもしれない。
ホソクにそれを言えば俺も見たかったなんて残念がってた。
こうやって少しずつ彼との距離を縮められればいいのだけど。
もう少し心を開いてほしい。
.
1400人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mii(プロフ) - キュンキュン (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:閔 | 作成日時:2019年3月13日 21時