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「……A」
Aが亡くなって一週間が経った。
俺はまだ現実を受け入れられなくて。
評価テストは明後日。なのに、家に引きこもってる。
Aの葬儀は家族だけで行われたけど、何故か俺も呼ばれて。
「あの子を愛してくれたから」
と、Aの両親は優しく微笑んで言った。
両親の笑顔はAにそっくりで、泣き崩れてしまった俺を抱きしめてくれた。
Aを愛したことに、後悔なんてない。
それでも、この虚しさはなくならなかった。
その時、インターホンが鳴った。
「どうしたの、ジョングガ」
「まだ引きこもってるんですか」
「……お前は悲しくないの」
「家族の僕が悲しくないわけないでしょ。
……それでも、笑ってってヌナが言ったから」
目元にうっすらと残る涙の跡と、濃い隈。
ジョングクも同じなんだ。
約束を破ったことを、ジョングクは怒っていないと言った。
本当は、俺からAを遠ざけるために言ったらしいけど、Aから気持ちを告げられたそう。
「ヌナまで好きになったんじゃ、仕方ありません」
そう言ったジョングクは、今までで一番優しく笑っていた。
"ニャア"
いつの間にか、ルークスが俺を見上げていた。
ルークスの姿にAが重なって。また、涙が溢れる。
ぎゅっとルークスを抱きしめて、泣いた。
「……ヌナ、言ってました。
ルークスは私の光だ、って」
私の、光。
いつだったか、読んだ本に書いてあった。
ルークスとはラテン語で光を意味する、と。
琥珀色の瞳が俺を見つめる。
ルークスはAが遺した、最後の光。
Aがルークスを拾った理由が、分かった気がした。
「ねえ、ジョングク」
「はい」
「ルークス、俺が育ててもいいかな」
ジョングクは微笑んで、大切にしてくださいと言った。
俺が愛した人は、もういない。
なら今度は俺が、Aが愛した人たちを守りたい。
Aの分まで、俺が愛すんだ。
そっとルークスを撫でると、ニャアと返事をした。
-fin-
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閔(プロフ) - まなさん» 読者の皆さまに読みやすいように、綺麗に文章を書くよう心がけているので、そう言っていただけて嬉しいです。切なくも前向きなお話でしたが、皆さまにも伝わったらいいなあ...と思っています。ご愛読、ありがとうございました！ (2019年12月25日 12時) (
レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
まな - 悲しいです。とても綺麗なお話でした。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 77b6913256 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - じみちむさん» なんて嬉しいお言葉......私はじみちむ様のお言葉に今涙しています...笑 温かいお言葉、しみじみと感じております。本当に嬉しいです。ありがとうございました！ (2019年12月25日 12時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 泣いてます（ ｉ _ ｉ ） (2019年12月25日 8時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - サヤさん» もうその一言だけで嬉しさが溢れてます(*^^*) サヤ様に私の気持ちが届いたのならよかったです。 本当にありがとうございました！ (2019年12月22日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：閔
| 作成日時：2019年12月20日 21時
